月に2度ほど、専門学芸員による所蔵作品のギャラリートークがありまして、
松本竣介・舟越保武室に舟越さんの作品の展示があるようになってから初の
ギャラリートークだったので、
これは聞き逃せん!と行ってきました~。
青森、神奈川、東京などからお越しのお客様がいらして、
ちょっと感動…。なかでも印象に残った女性は、盛岡駅から
11;30のギャラリートークに間に合うように走ってきた、とおっしゃっていて、
もしや、マラソンやってますか?と聞きたくなりました。いやそんなことはしませんが。
自分ひとりで見るのもすきですが、ギャラリートークで一緒になった
ひとたちと学芸員さんの解説を聴きながら一緒に展示室をあるくのも
旅のようで楽しい。
きょうギャラリートークをしてくださった学芸員さんは、
「舟越保武展」の企画をなさった吉田尊子さんだったので、
きょうはどんなお話になるのかな~と思っていました。
最初は松本竣介と舟越保武の作品が展示されている理由について、
ともに1912年生まれで、盛岡中学に入学し、上京してから竣介が戦後まもなく亡くなるまで、人として、美術家として交流がつづいた、ということからお話がはじまり、
現在舟越さんの展示スペースの2/3をつかって展示されている、
「私が友 保阪嘉内―宮澤賢治全書簡」の紹介がありました。
宮澤賢治が法華経の熱心な宗徒であり、作品にもその影響があることを話された後、
彫刻とキリスト教を不可分のものとしていた舟越保武、ということで舟越保武作品のギャラリートークへ。
高村光太郎の訳した「ロダンの言葉」に触発されて彫刻家をめざした舟越さんの
転機とキリスト教の関連を代表作の紹介をまじえて話されます。
大理石のなめらかさや細かな反射が生きるライティングになっていて、
(ふだんより暗めのような気がする~確かめなかったけれど)
学芸員さんも実際にワークショップで大理石の彫刻をやってみたものの、
10分で手が痛くなってしまった、というエピソードをお聞きすると、
等身大よりさらに大きめの大理石の彫刻をいくつもつくった
舟越さんの凄さがわかります。
失ってから最初につくられたブロンズ像。
お客様の中の男性が半身不随となっても89歳の晩年まで
彫刻をつづけていたということに、感嘆の声をあげておられたのが
印象的でした。
現在展示中の9点。
原の城については、
グランドギャラリーに全身像があることも紹介され、
グランドギャラリーに4点展示されている作品もぜひ、
と勧められ、
東京方面からお越しのお客様が多かったので、
練馬の美術館で7月から9月に「舟越保武展」がありますから
そちらへぜひ、と。
30分だったとは思えない内容でした~。濃い!そして語りに終わらず
お客様との対話になっている…。
と自分の解説にも取り入れられるところは取り入れようと思った私でした。
松本竣介の解説のときに、宮澤賢治との関連を一言でいいから
付け加えようと思います。
では~♪