《繕い裁つ人》、見てきたよー。
私にすきなタイプのテンポのいい、セリフで利かせる映画じゃなかったけれど、
職人の話がすきなので満足!
《しあわせのパン》の三島有紀子監督なので、やっぱり絵画的な画面で、
ご贔屓の片桐はいりの小さな娘がまるでレオナール・フジタの描く小さな職人たちのようだったり、
市江(中谷美紀)の工房がフェルメールの《地理学者》を連想させたり、
久々の好みの少女だ、と思ったゆき(杉咲花)の横顔を見せる場面は藤井勉っぽかった。
でもいちばん楽しいのは中尾ミエの場面だったなあ。歳を重ねてカッコよく、イキイキしていて、役柄というより中尾ミエがいい。死装束を仕立ててちょうだいといったのが、ガーデニング用のエプロンになっていて、このリフォームがいちばん気に入ったよ。
市江は先代のプレッシャーで固まってモニュメントみたいなんだけど、高校時代の恩師役の中尾ミエと一緒の場面ではのびやかで、
ガーデニング=生命や再生、成長というのも、市江の南洋裁店と重なるイメージだった。
夜会はちょっと気恥ずかしいシーンだったけど、老紳士のスーツのエピソードや型紙に記された個人の記録がよかった。
あーー、風が強くなってきた。市役所寄らなきゃ。