映画の日ですねー。
何年かぶりで映画の日に映画館に行ったよ。ずっとフォーラム会員だったのでいつ見ても1000円(値上がりして1100円だけどね)だったので、1日もレディースデーも関係なかったの。
が、
去年はあまり映画を見なかったので、会員証が切れていて、
1日までじっと我慢してました(笑)。
《最強のふたり》はひとりで見に行ってあまりによかったので、息子とも見たんだー。息子も思ったとおりすごく気に入って、
ほんとうは映画の日まで待って《ソロモンの偽証》も見ようかと言っていたんだけど、そっちは雨でだるくなってパスしたんだよね。
でも《サンバ》は《最強のふたり》のオマール・シーとエリック&オリヴィエが監督だし、といいことで行ってきました。
チラシや予告で想像していたものとは全然ちがって、かなりハードだった。
夜間警備員をやっていて、退屈しのぎにマネキンの上半身を抱えてふざけたり、窓ガラス清掃の相棒がコカコーラのCMのノリで踊り出し、オフィスのOLたちは大笑いで釘付け、
そんな場面もあった。
でも、
サンバは故郷の母親と妹に仕送りをしなければならないのに、国外退去命令を下され、自分の名前を偽って働くことを選ばざるを得ない。
移民支援のボランティア団体にワケありで勤めていたアリスとは支援者と移民の関係で出会ったが、
アリスが《なまいきシャルロット》のあの女の子だなんて。いやー私長く生きてんなあ。
このボーッとして不安げなアリスはひどい不眠症で何種類もの眠剤や睡眠導入薬を持ち歩いていた。
ある日、15年もの間張りつめて仕事を続けてきて、ついにある日キレてしまい、入院後、このボランティアで働いているのだと話す。
サンバも寄る辺ない身の上だが、アリスも必死で自分を保っている。パニックを起こしてヒステリックになるアリスも、サンバの相棒ウィルソンと踊るアリスも、夜ひとりで所在無げにしているアリスもよかった。窶れた雰囲気と白い長い首すじがエロティックだったりもする。
最後がハッピーエンドかと言えば、そうではないと思う。サンバが選んだ道は正解ではないかもしれない。彼はおそらく偽造許可証であたらしく料理人の仕事を得た。
アリスも以前の大企業に復職した。まだ心の安定のために馬を撫でに厩舎を訪れたりもするけれど。
不法移民をしたくてしているわけじゃない、仕事をしたいだけなのに、ちょっとしたことでも問題を起こせばすぐに逮捕されるから、小さくなって暮らすか、偽造許可証がバレるのに怯えるか。
陽気でラテンのノリで芸術家肌で正義感は強いドリスと、
内向的で真面目で、誰に対しても優しく、臆病なところもあるサンバはちがう。
でも、サンバもやっぱり人間的な魅力のある男だった。
オマール・シーにも、エリック&オリヴィエにも、また逢いたい。