『ハルロック』西餅(モーニングコミックス 週刊モーニング連載中)
1、2巻はただいま絶賛品切重版予定(その筋の情報によると3/6刷り上がり予定)。
さわや書店上盛岡店さんで、待ちますから予約しまーす!と
重版予定の『ハルロック』1、2巻を頼んだら、
他店から取り寄せて2日で用意してくれました…ありがたや。
いまは絶版本もネットで意外に簡単に見つかったりするので、
私もお店にないならAmazonがあるさ、と安易に思っていたのですが、
Amazonにもなくて、中古品がここぞとばかりに値段を吊りあげておりまして。
あー、地元の本屋さんはありがたい、と思ったです。
こないだ育成会のはがき枚数数えボランティアの時もひとと話したんだけど、
本やマンガがすきなひとにとってすごくいい時代になっているなあって。
その分どこかにしわ寄せが行っていなければいいなあとも思うけどね。
そのご近所の真下くんは晴ちゃんに分解されたい、という奇妙な
欲望をもつあまり、本来は学力優秀だったのに苦手な理数系へ進み、
ヤンキー率の高い工業高校へ…そして理数系が苦手なので、
同級生のヤンキーたちにも優しくされてしまう始末。
真下くんの属する科は電子科で工業高校の中でもヤンキーに目をつけられやすい、
よわっちいクラスらしい。
しかし、弱い電子科には弱いなりの戦い方とプライドがある!
というわけでこれは晴ちゃんが発明したドキドキするほど怖がらされるお化け屋敷、
にヒントを得た、ドキドキするほどめぇーめぇーのサイレンが大きくなるという
発明。真下くんが電子科のみんなのために発明しました。
耳たぶに止めたクリップが心拍を拾って、なんだかんだでスマホで拾った羊の鳴き声を
ほえたくってます。
そしてこの表情とセリフ。
「ただドキドキするだけの俺たちの姿を!」
情けないんだけど笑っちゃいます。
2巻でいちばんすきなのはこのコマですね。
絵柄と同じく、大ゴマで迫力を狙ったりしない、淡々としたコマ割りのなかでは
かなり思い切った大きめのコマでした(笑)。
そんでもって、3巻で起業することになったきっかけの発明、
猫ツィート はこちらです。
家にいる猫がどう過ごしているか、一人暮らしで猫を飼っているひとなら
やっぱり気になるので、そのニーズに応えた発明品です。
この猫ツィートがある電子工作のフェアで大売れに売れて、
手元に残ったけっこうな売り上げで起業したんです。
さて、真下くんですが、晴ちゃんとの電子工作の知識量の違いを
努力に寄って埋めようとしているのですが、
ヤンキーに例えたりして、いまひとつわかっていない。というより、
たぶん、こういう考え方がスッと入ってくる人と、なにかに例えないと覚えられないひとtがいて、
後者は才能がないってことなんだろうなあ。私もなんでもかんでも、
具体的に例えないと理解できない。
意味は違うが、具体派といっても過言ではない。
ふにゃっと気の抜けたようなギャグの中に、こういう直球のいい言葉が
入っていたりします。
初歩的なことで躓いてへこんでいる真下君を先生が励まします。
きちんと理解しようとしている真下君のことを見ていて、そういうゆっくり進むものが
一番遠くまで行く、と。
真下君の望みは晴ちゃんによって分解されたい、ということなんですが、
そこまで行きつくことができるのでしょうか。
おなじ西餅さんの「犬神もっこす」もおもしろかったんですが、
連載中はまだモーニングを毎週買っていたわけではなかったので、
あれ?今週は載ってないな、と思ったら終わっていました(笑)。
血の薄そうな登場人物たちに、なんとなく、『動物のお医者さん』を連想してしまいますが、
血の薄い私にはじわじわとしみこむタイプのマンガでして、
もう少し主人公たちと付き合いたい気がします。