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憧れの大手饅頭ですよ。

内田百閒の随筆のたべものはこれ見よがしにおいしそうには描かれない。

だがそこがいい。

朝は英字ビスケット、昼は蕎麦と決めて、ご馳走は夜だけで、あまりおいしいものは困る、

という思想の百閒先生。ああ、百閒先生の名前がコード入力をしなくてもいい時代になってうれしいわ(笑)。

内田百閒は岡山生まれで、お土産にもらったか買ったかした大手饅頭、昔のことだからすぐに固くなってしまうやつを、

蒸し直して、湯気がもうもう立っている大手饅頭に、

気をつけ!号令してからむんずと摑んで口に入れる、

というような描写がすきで、いつかたべてみたかったわけです。

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しかし、箱も個装包装もお洒落になっておりまして、イメージ狂ったなあ(笑)。

郡山の薄皮饅頭の色白ヴァージョンを想像していたんですよ。

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これは手がかかっていて、岡山の備前米から糀をつくり、じっくりと日数をかけて成熟した甘酒を仕込み、

その甘酒を入れた生地で漉し餡を薄く包んで蒸しあげる、

のだそうです。

そのままたべてしまいましたが、蒸し器で蒸し直せば百閒先生の気分に浸れたかも。


でもまあ、高校の頃からたべてみたかったお菓子を現実に手にすることができて大満足ですわ。

35、6年前の高校生はネットがなかった分、いろんなことに憧れていたんですよねえ。

吉備団子もたべたしな。

私は吉備団子をずっと、

きな粉のまぶしてあるお餅みたいなものだと思っていたよ。


もち文化圏出身なので、団子といえばもちろん餅で、誕生日もお正月も大晦日も餅がなくては始まらないのだった(笑)。