「きのう何食べた?」、連載も長くなりましたね。
主人公、シロさんもケンジも、親が年をとったり、
自分自身も老眼になったり髪がうすくなったりおなかが出てきたり、
小さな変化はありましたが、
勤め先もパートナーもおなじで、そこに安住している感じです。
読者としても落ち着いて読めるマンガがあってほしいのよ。
さて、シロさんもいい年齢ですが、法律事務所に勤務すること25年になっておりました。
「きのう何食べた?」の一コマ目に登場した(でも脇役)この若先生も、
最初はおっとりして、体型もムーミンだし、ちょっとボンボンな感じ、
でしたが、ある事件をきっかけにして社会派の弁護士に変身しました。
自費で専門家に調査依頼してまで、刑事事件の冤罪に取り組んでいます。
顔つきもすっかりたくましくなって…。
こちらはその母親にして、大先生。夫と一緒につくった法律事務所を、
夫なきあと、息子を一人で育てつつここまで守ってきました。
小柄でかわいい小母さんふうですが、芯の強い頼もしい先生なのです。
が、唯一の弱点は息子の嫁とうまくいっていないこと。仕事では冷静で温厚な先生が、
私生活ではあんなお嫁さんになんか好かれたくない!と言い切ってしまう。
そこもまたチャーミングですが。
さて、大先生に呼び出されたシロさんは、今の恋人と結婚の予定はあるのか
問いただされます。もちろん、先生も私生活に立ち入る非は詫び、それでも、
自分もいい年だし、息子は刑事事件をライフワークとして忙しくなったし、
ということで事務所を息子とふたりボス体制でついでもいいし、所長になってくれない?
という相談です。
その彼女は彼でありまして、結婚はもちろん考えられないのですが、
職場でもお客さんにでもカミングアウトという意識もなくゲイで素敵な彼氏とつきあっていることを
話しているケンジとはカミングアウトのハードルの高さが違う。
しかし、そういう秘密があるせいで、答えはご覧のように、
50歳とは思えない軽い、ふわふわしたものになってしまい、
大先生を落胆させます。