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鈴木基一「木蓮小禽図」

息子は、三越さすがだ、太っ腹だ、と言ってましたが、私は岡田美術館が太っ腹だと思ったなあ。

箱根の美術館ででーんと構えて、一点一点が宝物のような美術品を東京のど真ん中に運んで、しかも岡田美術館の料金からしたら1/3くらいで見せてくれるんだから。

危惧していた展示ですが、やはり指示があったと思われ、デパートの美術展ではまずないくらい、照明は落としてありました。丁寧な解説のパネルも岡田美術館テイストでした。比べると狭い会場ですが、三越本店なので年配の落ち着いた方が多かったです。

残念なのは携帯を平気で鳴らし続けている人がいたこと。しかも止めない。

でもそれだけだったな。

性格が悪いといわれそうですが、素朴な感想収集の方も新作が加わりました。

「まあ、生け花みたい」。

お正月らしく、おめでたいモチーフの作品が多かったのですが、「生け花」はよかったな。

でもみなさん、これ見よがしなしったかもせず、小声で連れのひとと話すくらいで、神経に障ったのは携帯の1件だけでした。

さて、岡田美術館なので、全力投球のコレクションを持ってきていました。しかも展示替えなし!!
(会期が短いからこれで前期後期をやられたらひでぇもんです)

43点の作品は琳派、江戸時代が中心ですが、

速水御舟の「桃梨交枝」も出品されていました。惜しいかな、ガラスケースに入っていて、もう少し近くで見たかった。

でも、こ、これをこんな近くで見てもいいんでしょうか、ってな方が多かったんですけどね。

速水御舟の展示があったことで、

鈴木基一の「木蓮小禽図」は私の中で、

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絶対、岡田美術館でいま開催している、

―開館一周年記念展―
大観・春草・御舟と日本美術院の画家たち
速水御舟「木蓮」 久々の公開
会期2014年10月4日(土)~2015年3月31日(火)への目配せでしょう!!

ちがうかもしれないが、そう考えることにしたんです。



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小禽はこちらの鶯。

梅に鶯なら広重など伝統的な日本画のモチーフですが、木蓮にグレイッシュな鶯というところが心憎いなあ。

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部分ですが、神坂雪佳の「燕子花図屏風」。

これはやっぱり、

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尾形光琳の「燕子花図屏風」も重ねて見たくなりますね。

うーん、この「RIMPA展」トラップがすごいぞ(あくまで個人の感想です)。



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実際に間近で見て衝撃の尾形光琳「菊図屏風」。

白い菊は胡粉で盛り上がっているのですが、まるで木彫のような立体感なんですよ。

3Dプリンターも目じゃない激しい立体感…。大判のうつくしい写真を使っていますが、図録では立体感までは伝わらなくて残念なり。


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伊年印の「扇面散図屏風」もほんとうにおもしろかった。扇面のひとつひとつに描かれた意匠や、これが当時はどんなに光を放っていたかを想像しただけで、目が眩むようです。

お正月ということもあって、金がふんだんに使われた屏風がだされており、

経年変化の向こうに燦然たる琳派の世界が浮かび上がり、

ほんとうにめでたい気持ちになりました。