木の実のぱんは、レーズンと胡桃のみっしり入ったぱん。
レーズンが甘酸っぱくてクラストがしっかりしていて、ハード系なのですが、素朴な焼き菓子のようでもあります。
で、これはぶどうぱん山型。
ぶどうぱんはおなじ生地でつくっている木の実のぱんと同じ形成のものもあるのですが、
山型のてっぺんの艶艶したクラストにやられました。大正期に建てられた西洋館の床や階段の手すりのような、黒光りするような艶やかさです。
このクラストを思いっきり引っ張って、その強烈なヒキに感動し(感動のポイントがそこか?いやそこでいいのだ)、
クラムのグリーンレーズンの瑞々しさにうっとりしました。生の葡萄でいちばんおいしいと思ったのは山梨市巨峰の丘マラソンで出されたもぎたて巨峰ですが、
(現地でもぎたてでこれで美味くないはずがない)
それ凝縮されてぶどうぱんになっているみたい。もともとレーズン食パンをトーストして有塩バターを塗ってたべるのがすきなのですが、
トーストしなくても美味しい。瑞々しい。
こんなぶどうぱんはどうやって仕込んでいるんだろう?
木の実のぱんのレーズンは黒褐色で、ぶどうぱんはグリーンレーズンという種類の使い分けも興味深いです。
かいじゅう屋さんは多品種大量の逆で、少ない種類を大切につくっているお店でした。また行くのは厳しいですが、
たべたぱんの味と、あの時一緒に行列(そんなに長くならないが途切れない)にいた女の子のことは忘れないと思います。
日本のこけしとパリの小さな少女が混じったような女の子だったけど、お母さんに叱られて泣きっぱなしだった。
帰りにお母さんの自転車の荷台に座って、泣きはらした目でこっちを振り向いた。
奈良美智さんのおでこの女の子みたいだった。