ところで、「月館の殺人」には、
鎌倉からやってきたNゲージテツの青年がいます。おおそうだ、鎌倉の美術館の記事を書かねば!
今回、神奈川県立近代美術館 鎌倉館に行こうと思ったのは、
もちろん展示されている作品が楽しみ、ということもあったのですが、
この設計が国立西洋美術館の設計者であるル・コルビュジェの弟子であった坂倉準三であり、
こちらの美術館がコルビュジェのモダニズム建築を体現したものであるということで、
先月美術館友の会解説グループの研修で国立西洋美術館の建物についての解説を受けたことで大いに楽しみだったんです。
後ろ姿のしぐれている息子。ちなみにいまこのラブリーな長靴はとんでもなく臭いです。石見のグラン・トワの中庭広場の浅いプールをジャボジャボ歩いたからね…
美術館のなかにはいる前に、野外彫刻に引きとめられてしまう。
BELT (1978)清水久兵衛 (1922-2006)
おお、清水久兵衛、ここにもか!
秋田ふるさと村でも、京都駅や京都のあちこちでもばったり出会ってまいりましたが、ここにもいたかあ。
しかし、朱色のイメージが強烈だったので、素材の色を生かしたこんな彫刻ははじめてです。
このファサードの表情、国立西洋美術館のファサードの格子模様(ほんとうはモデュロールを表現しているのですが)に似てるなー。
山口牧生 (1927-2001)
棒状の石あるいはCosmic Nucleus
どういう意味かと思って調べてみたのですが、
宇宙の核、細胞核なのか原子核なのか、そういう意味合いだと思われます。
空 充秋(1933-)
揺藻(ゆれも)1985年
コンクリートのこのカクカクしたシルエットにふさわしい、鉄と石の素材の抽象彫刻がある前庭から中へ。
この池を眺める広く張り出したテラスの、柱と手すりの作り出す影がリズミカルで、あるくのが楽しくなる。
池の向こうは鶴岡八幡宮境内。そこの赤い橋まで広く見渡せます。
あとで鶴岡八幡宮に参拝に向かう途中の若宮大路からも緑に囲まれたグレーの美術館が見えて、その眺めもまたよかったです。