NHKクローズアップ現代 2012年6月13日
讀賣新聞のこの記事に関連してということだろうけれど、
現にいわゆる向精神薬を服薬しつづけている息子がいるので、やっぱり耳に痛いっす。
子供に向精神薬処方増…注意欠如などで2・5倍
読売新聞 1月13日(火)7時39分配信
子どもへの向精神薬の処方件数が増加し、13歳~18歳では、2002年~04年と08年~10年との比較で、注意欠如・多動症に使うADHD治療薬が2・49倍、統合失調症などに使う抗精神病薬が1・43倍になったことが、医療経済研究機構(東京)と国立精神・神経医療研究センター(同)などによる初の全国調査で分かった。
調査は、02年から10年の間に、外来診療を受けた18歳以下の患者の診療報酬と調剤報酬の明細書約23万件を分析した。1000人あたりの向精神薬の処方件数などを算出し、統計解析で年齢層ごとの処方件数の年次推移などを比較した。
02年~04年と08年~10年の処方件数を比べると、13歳~18歳ではADHD治療薬と抗精神病薬の増加に加え、抗うつ薬の処方も1・31倍となっていた。6歳~12歳でも、ADHD治療薬が1・84倍、抗精神病薬が1・58倍と増えていた。
年末年始前に、と、息子のクスリをもらいにいったら、
薬局では、いま切れていて半分の量しかきょうは出せなくて、と済まなさそうに言われて、残りは正月明けに受け取りにいったんだけど、
あー、コンサータっ子ってけっこういるんだ、でもってみんな年末年始前に補充したんだな、とむしろホッとした。
東日本大震災の時、真っ先に心配したのは、避難所の息子と同じ障害の子どもとそのお母さんのことだった。
薬がなくて、非常事態でただでさえ興奮しがちな子どもがハイになって、避難所で辛い思いをしているんじゃないだろうか。考えただけで涙が止まらなくなる。息が詰まる。
それから1年くらいして、やっぱり発達障害の子どもさんのいるお母さんと話した時に、避難所にいられなくてクルマで過ごしていたひとの話を聞いて、やっぱりなあと思った。そのお母さんも、真っ先に薬が切れて避難所で暮らすことになったら、と思ったそうです。
というくらい、親子共々、薬のおかげで安定した小学校生活を送れたので、こういう記事に反応して、薬漬けとか非難めいたタイトルの記事(番組だけど)を見ると反発したくなるわけだ。
うちの子は薬がなかったら、確実に交通事故に遭って死んでいたと思う。
安定した小学校生活としたのは、保育園時代はコンサータじゃなくてリタリン(筒井康隆のエッセイに出てきた躁鬱病の薬かあ、と一瞬喜んだ気がする…悪気は一切ないのですが)だったから、いわゆるリバウンドが激しくて、
薬が切れた頃はよく腕を噛まれました。ワンコの甘噛みか!それが必ず交差点の信号待ち助手席から噛み付いてくるので、大変だった。
当時はまだ子どもの発達障害について甘く考えていたところがあって、甘えて噛んでくるんだ、と思っていましたが、
噛むのも発達障害の特徴なんですってね。やっぱりどこかでこんなのは大した問題じゃない、と思いたかったんでしょうね。いまはそれが行き過ぎて、すべてが発達障害のせいに思えて、同じ年代の男の子がやらかしそうなことさえ、キツく叱ってしまうんですが。だってどっちかわかんないじゃん!だから私のポリシーは、
とりあえず叱っておく。
です。これは処世術でもあって、発達障害の名札をつけているわけじゃないから、キツく叱りでもしないと、世間からあの親はなんだ、と親子共々白い目でみられちゃうのだ。
そんな私なので、公共の場で騒ぐ子どもには厳しいですよ。ただ、障害でそうなっちゃうんだろうな、という子もなんとなくわかるけどね。
息子は薬をのませないで学校にやると、けっこう大変なことになる。
あとでその自分を思い出して、恥ずかしかった、と感じているようだ。
発達障害の子どもは人一倍傷つきやすいところもあるので、
そういう自分ではどうしようもないことで恥をかいたり、勉強が落ち着いてできなかったり、その積み重ねでひどい劣等感を持ったり、不登校になったり、
という二次障害で苦しむ子どもも多いと思う。
薬をのませるまえに副作用の話は聞いていたから、
背が伸びない時期は副作用かなあと考えたりもしたけど、5、6年生で一気に伸び出したので、まもなく平均身長になるでしょう。
副作用はあるだろうし、将来どうなるかわからないのもほんとうだろうけれど、
アトピー性皮膚炎で散々回り道をしてステロイドを使わずこじらせた時期があったので、
コンサータもステロイドも、使うべき人が必要な量だけ使えば、いい薬なんだ、
ということで私はもう迷いはしないよ。