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館長庵野秀明 特撮博物館 ーミニチュアで見る昭和平成の技ー

なんといっても、先輩たちから教えられた特撮の技がCGに押されてこのまま廃れてしまうことに危機感を抱いた、

かつて昭和の特撮をテレビで浴びるようにみて育った世代の監督たちの先輩たちへの畏敬の念と、なぞるのではなく、いまできる最高の特撮を追求する姿勢がよかったです。

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メイキングフィルムでは、巨神兵が現れた時のこの世のものではない、暗雲を背景美術50年(!)のプロが3日かけて描いていました。

描いたものだった、という衝撃。

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撮影OKエリアには暗雲は立ち込めておりませんが、空も雲も、人が描いたものだったと知る前と知った後では、目が違う気がしました。

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公園のすべり台、ブランコ、ポリ容器の大きなゴミ箱、括られた古新聞、赤い丸ポスト、四角いポスト、自転車、赤いコーン、砂場、、、日常的な風景にある、見慣れたものがどうしてこうも目を射止めてしまうのでしょう。

前はウルトラマンやバロムワンなど、なにしろ世代的にそういうものを見て育っていますから、そちらの方ばっかり見ていた気がします。

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でも今回はCG禁止の特撮「巨神兵、東京に現る」のために作られたものが胸にしみた。

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駅のスタンド売りのスポーツ新聞まで、一瞬しか映らないようなものにまで注ぎ込む情熱に打たれたのかもしれません。

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ゴミ袋だって、このサイズのゴミ袋になるように作っているわけですよ。雑誌の表紙も、ポリバケツの表面の汚れ加減も。

突飛な連想のようですが、「超絶技巧!明治工芸の粋 」展に通じるものがある気がします。そこにあるのはひとりの職人の精緻さへの旅であり、道であります。

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私たちの日常に馴染みすぎた道路標識や、お店のサインも、特撮のセットに取り込まれることで、日常とはちがう意味を帯びる気がします。


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セメント袋の紙の色合いも、シワの加減も、ドラム缶も、アップにしてスマホ撮影してもまだこんなに瑞々しく、その瞬間を湛えている。

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この6畳間のアパートの室内も乱雑さがいっそうのリアリティをかもしていますが、

この部屋にあるアイテム全ては制作されたものだということを考えると、その情熱はなんだ、と愕然とするほどです。

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リリパット国のガリバーの視点、巨神兵からみた人類の営みとはこうでしょうか。

巨神兵のように破壊するのではなく、私たちは、制作に携わった神々をねぎらう気持ちで隅々まで味わいつくすように凝視するのです。

特撮博物館、2回目は1回目と違うところでやっぱりおもしろかった!