リブートもりげき王~キングまでの道程~、もりげき八時の芝居小屋、


3日間通いました~。



きょうはアフタートークで、清水大樹氏の「乙女の恋バナ」に合コンにつき合わされた

女の子がうんざりした顔で帰ってくる、という設定があるので、


合コン話で盛り上がった。盛り上がった、のか?



アフタートークの話から入るのもなんですが、3組のお芝居を都合2回ずつみたので、


サブプロデューサーの現代時報・高村明彦氏ではないですが、


いろんなピースがカチッとはまって、わかっちゃった!という気がします。


(あくまで自分の解釈としてできちゃった、という感じなので、たぶん、作者の意図とはちがうのであった)


さて、


プロデューサー・くらもちひろゆき氏、高村明彦氏、中村剛造氏、清水大樹氏ですが、年齢は、



くらもち氏=高村氏+9、高村氏-12=中村氏、中村氏-おそらく7、8=清水氏


というわけで、清水氏+9+12+7=くらもち氏


というジェネレーションギャップによる、合コン観の違いみたいな話になる~


かと思いきや、


清水氏が身もふたもなく正直に「合コン行ったことないです」発言。


じゃあ、あの、合コンにお目当ての彼がいてぶりっこをかましながら、

速攻その彼とはちがう男と歩いていた、ってその怖いリアリティなんなの、という話ですが、


キャストから聞いたエピソードのパッチワークであったらしい。



合コンの引き立て役に呼ばれたらしいとか、合コンで気に入っていたわけでもない男の子と即

くっついちゃうってこわくね?みたいな話をしやすいキャラクターだということも、


はしなくも語ってしまった清水氏なのだった。



1回目では聞き落していた、


「乙女の恋バナ」の3年前になんらかの事情で死んでしまい、地縛霊(なのか?)として

友達だったナツキの部屋に住み着いている17歳のままのカエデの死に、


どうやらナツキがかかわっていることもはっきりセリフでわかったです。


しかし今回も死因も状況も、そこは詳らかにしないまま話は進むのである。


ただ、1回目に見た時にはそんなにつよく感じなかった、幽霊のカエデが

うつむいてコロコロで掃除をしつづける姿と、


大学のクラスメートの桃ちゃんがセッティングした合コンでのあれやこれやを

饒舌に語り続けるナツキとの対照がきょうはずいぶん、くっきり見えるなあと思ったです。


間合いが変わったのかもしれませんが。


幽霊のくせに勝手に冷蔵庫のプッチンプリンを食べてしまったカエデに

ナツキが仕返しに塩を投げつける場面、



エヴァンゲリヲンだねー、と思っていたんですが、特にヱヴァ萌演出ということではないらしい。


塩を投げつけるナツキとそれから逃れようとするカエデの攻防が、


例の、「いーつのひもーたえるーことなくー とーもだちでーいよおおお」

というレクイエムとともに流れるわけですよ。ちょうスローモーションの場面。


ここはいいな、と思ってすきな場面だったのですが、キャストからの提案だったそうです。



ナツキがプッチンプリンをコンビニに買いに行ってもどってくると、

音楽はつけっぱなしでカエデの姿はなく、なのに、あんたたべるのが速いんだもの、

といいながら自分のたべおわったプリンの殻をカエデのたべていないプリンと一緒に

ゴミ箱に投げ入れる場面、


もうカエデはナツキの部屋に現れないだろうと思った。

ナツキが3年前のことを乗り越えて、自分の恋をはじめるつもりらしいとわかって、

カエデは自分の役目が終わったと思って消えたのだろう、と。



「ハロー、ランデブー」は、昨日見ているときも思ったんだけど、



アンデルセンの「マッチ売りの少女」のようだなーと。


マッチ売りの少女はもちろん、アンデルセンの母親の子ども時代がモデルになっている話で、

クリスマスの夜に起こった出来事なのだけれど、


公園のベンチから見上げる斜め45度上のマンションの「松本家」の3人。


会社員のお父さんとお料理上手な妻アズサと1年生のユータロー。


スクリーンにきのうは、丸い赤と白のポッチが両端にあって、サンタクロースと雪と血の象徴みたい、と

思ったのですが、そのスクリーンにきょうは「さんびきのくま」の絵が線で描かれていたです。



あの家族は「さんびきのくま」であって、公園から眺め上げていた(でも電気工事だったかで家に一度上がったことがあり、鍵の場所などを把握していたのであった)男は、そのなかに入ろうとする、女の子。



スープをたべ、ベッドに勝手に入って眠る、考えてみればふてぇ女の子である。最後にはお父さんクマに吠えられて森から逃げるんですけどたしか。


小さなおうちを外からみて憧れる、つくりあげる、慈しむというのはドールハウスのようなものでしょうか。



ドールハウスの材料は、盗聴した会話の断片、自分で吹き込んで回転数を変えた声。子どもになったり、大人になったり、セックスがしたい夫になったり。


そうやって築いてきたドールハウスからある日、火の手が上がる。理想の妻はなんということだろう、浮気をして自分の理想の家庭を壊してしまった。これは罰を与えねばならない。


きのうのことを全部覚えているとは言いがたいので、ちがうかもしれないけれど、


きょうはBGMにずっと、「ホワイト・クリスマス」が流れていたせいか、

にこやかな表情だった気がする。夢想しているマッチ売りの少女だから?



「赤ずきん」も、オオカミの側からみたら、おばあさんと赤ずきんの関係性に憧れてのあの所業だったのかもしれないし、童話や民話の世界って、釘に生肉をぶら下げるような残酷なところがありますよね。


プロジェクターに「3びきのくま」が描かれていたし、同じ台本でも、

きょうはメルヘンチックに演出してみる、そういうこともできる、というのを

試してみたかったのかもしれない。



きのうは暗黒舞踏風、きょうは童話風だったなー。



で、きょう、いいな、と思ったのは、



マンションのドアから出て、公園のベンチにグタッともたれ掛かってみるところですよ。


マンションのドアから出るところが、妄想の風呂につかっていたひとが、

濡れた体のままあがってくるような感じ…。滴っている。



ああ、かれは生きていたんだな、また妄想のドールハウスを作り上げるつもりなんだな、と。



きのうは子どもにカッターを握らせて頸動脈をぶっつん!と切るような段取りだったけれど、

きょうは自分で切っていました。


「すばらしい! すばらしい!」というセリフはきのうと同じですが、


プロジェクターに映し出されていたのは、X'masではなく、


赤の激しい殴り書きでした。白髪一雄みたい。最初のベンチにいるときのセリフに、


奥さん「あなた、目は大丈夫なの」というような言葉があり、当然、妄想の奥さんに、

自分の目のことを心配させているのだが、


失明がわりあい近くあるような男が、指で描くとはいえ、「メリーXマス」って不自然じゃないか?と思ったのかなあ。



血の色の鉄条網にがんじがらめ、という風にも見えてやっぱりおもしろい効果になっていました。



それにしても三日間通ってしまったなあ…。


きょう、合コン話で盛り上がったステージを見つつ、思わず振り返ったら、

女性は私しかいなかった気が…。帰りにみたら一人いたこといたばってん、お客さんじゃなくて、スタッフの方だった気が…。


三日間楽しませてもらいました。


ではでは♪