「リブートもりげき王~キングまでの道程」 12/17 (水)を見てきました。
八時の芝居小屋は2回公演か3回公演ですが、今回はもりげき王で敗れ去ったものたちのうち、
3組が登場。
17日(水) 「SKINHEAD RUNNIN'」皆川泰亮
「乙女の恋バナ」 清水大樹
18日(木) 「ハロー、ランデブー」中村剛造
「SKINHEAD RUNNIN'」皆川泰亮
19日(金)
「乙女の恋バナ」 清水大樹
「ハロー、ランデブー」中村剛造
いずれも終演後、八芝12月プロデューサー くらもちひろゆき氏司会で、作家によるアフタートークがあります。
リブートの意味を知らなかったので、調べたら再起動ということでした。
「SKINHEAD RUNNIN'」
登場人物は、青年、OL(鬼レディ)、鬼。
親友と信じていた相手に借金の保証人にされた挙句、裏切られ死を選んだ青年。
首を吊ってこの世におさらば…
と思いきや、目が覚めたところは謎のブロックが散乱している場所で、立派な2本の角を生やしグレーのスーツの鬼OLが登場。
青年はここでブロックを10分以内に積み上げなければさらに奥の(この表現が怖い!)地獄行き、積み上げられたら天国に行けるという。
鬼OLに声帯を麻痺させられている青年はブロックを積み上げる…と、そこに予告もなくスキンヘッドの鬼登場!
豪快にブロックを蹴り倒して去って行く。
このふたりのブロック積みのBGMが「SKINHEAD RUNNIN'」という曲。凄くカッコイイ曲で、
青年がやっと積み上げたブロックをある時は自転車で、ある時は客席側から奇襲し、ある時は浅間山荘鉄球で薙ぎ払い、蹴り倒す。
青年はある時は四方を疑いぶかく注意し、鬼を体当たりで止めたり、怪しげな催眠術をかけてみようとしたりするが阻止できない。
ある時、ふとブロックを鬼に渡すと鬼は積み上げる快感に目覚める。
永劫に続くかと思われた賽の河原で、青年は鬼と力を合わせてブロックを積み上げることに成功。鬼OLが登場し、青年を天国に案内するが、鬼はこのままだという。
青年が鬼に最後にかけた言葉は…。
そして唯一の鬼のセリフが最後に響くのであった。
これはもりげき王で見ることができた作品でした。スキンヘッドの鬼が賽の河原を疾走し、ブロックを蹴り倒す、という発想がすごいなあと思っていたました。
終演後のアフタートークで、千葉ロッテマリーンズの「SKINHEAD RUNNIN'」という曲をある日耳にして、かっこいいなあと思い、その曲のタイトルからスキンヘッドの男が何かを破壊する芝居を発想し、
なにかを破壊しても正当化される場面と言ったら、賽の河原しか思いつかなかった、と。
私は障子の張替え前の障子紙破り放題を思いつきましたが、賽の河原の鬼ほどの劇性はない気がするわ。
劇の中盤は青年も鬼もセリフなしで、表情とアクションとふたりの絡みで見せるので、
単調にならないように、鬼の積み木くずしのパターンを40個ほど最初に書き出して、スタッフ・キャストと話し合ってそこから厳選した破壊パターンをきょうは10個やりました、とアフタートークで話していて、
40も思いつくのが才能だな~と。
「乙女の恋バナ」
登場人物はナツキとカエデのふたりの乙女。
カエデが歌をうたいながら、コロコロでお掃除中にナツキが疲れた顔で入ってくる。
マカロンのクッションを枕にして、合コンのグチを語り出す。
「カエデはアイドルだもんね。永遠の17歳」というセリフで、あ、セーラー服のカエデは幽霊なんだ、と気づく。
同級生だったらしいカエデとナツキだったが、ナツキはもう20歳で乙女じゃない、と嘆く。
またある時は帰ってきて冷蔵庫のプリンが無くなっている、とナツキが騒ぐと、犯人はカエデだった。それでもまた座って、ぶりっ子の同級生の話をしているうちにふと、カエデは生きていた頃、すきな子がいたの?と聞くナツキ。
じつは岩島君と付き合ってた、というカエデ。知らなかったと返したナツキが、
きのう、岩島君に好きって言われたよ、と。
三角関係か!
と思って気を揉んでいるうちに、場面がかわり、ナツキが戻ってきてもカエデの姿はそこにない。
にもかかわらず、カエデの分のプリンも皿に乗せ、まるでカエデと向き合ってたべているかのように自分のプリンを口に運ぶナツキ。
ナツキはたべられなかったカエデの分のプリンと自分の食べ殼をゴミ箱に捨てて部屋を出て行く。
終わり方が唐突な気もしたけれど、説明くさくならないようにあえてそうしたのかなあと思っていました。
女の子がふたりで、片方が幽霊という設定は赤川次郎の「ふたり」を思い出させますが(映画版「ふたり」の石田ひかりが好きだった)、幽霊らしく忠告したり、予言したりはしないのがカエデ。
しかしずっとコロコロで部屋を掃除し続けているところが幽霊っぽいかも。
アフタートークではくらもちひろゆきさんから皆川さんと清水さんに、
1時間に引き延ばすとしたら?という質問があり、
清水さんはもともと1時間を考えていた作品で、と答えていました。
皆川さんの発想の元になったのは千葉ロッテマリーンズの「SKINHEAD RUNNIN'」とですが、
清水さんは高校時代につけていたメモに、
アイドルはよく永遠の17歳というけれど、永遠ってことは幽霊ってこと?という内容のものがあり、
そこからこのお芝居が生まれたと語っていました。
あと1回の上演がある2作品ですが、さらなるブラッシュアップがあるのでしょうか?
そしてアフタートークでのくらもちさんの質問が若い劇作家を育てようという示唆に満ちたもので、
その問いかけによってこちらも芝居の見方がまた一つ分かったような…。
明日明後日も見られたらいいんですが。
ではでは♪
