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恩地孝四郎【自画像】  1910年 水彩 紙

これがよかったんですよー。

保存状態もよくて、いま描かれたみたいな瑞々しさがあって、恩地孝四郎のイメージがガラッと変わりましたね。



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恩地孝四郎 【LA DANCE】 1913

長谷川利行の絵みたい、と思ってしまう。

こういう画風と決まったものはなく、果敢にいろんな手法やモチーフに挑んでいる。

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恩地孝四郎 【望と怖】 木版 紙

多色刷りもおもしろいですが、こういう、スキマから覗く人体の一部という構図も多くあって、
キュビズムやカンディンスキーを連想する。

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恩地孝四郎 【つくよみの出生】 黒インク 鉛筆 筆

かろうじて細い脚が雲の間に見える。脚と三日月の構成が不思議。

つくよみとは月読命で、アマテラスとスサノオと同じくイザナギ・イザナミの子どもですが、影うすいですよね…。



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恩地孝四郎 【抒情ーわかれとのぞみとー(1)】
1915年 木版(機械刷り) 紙

少しずつ具象から抽象へ傾いていったということではなく、

大正初期のこの時代に画を志す若者たちは次々と新しい絵を試すように描いており、恩地孝四郎もその時代を生きていたということだと思います。

版画はもともと手の中で楽しむために小さなサイズで作られているので、作品はどれも小さめです。

美術展では大作につい近寄ってみたくなる方ですが、自画自刻自摺の創作版画がもっていた自由な表現にふれて、

あー、見に来てよかったーと思った私でした。