「マッサン」、とうとう鴨居の大将の息子が登場しましたね。
私はマッサンがウィスキーづくりに苦闘する姿がみたいのですが、
なかなか都合よく(?)は行かないものだ。
「やってみなはれ 芳醇な樽」 邦光史郎 、
図書館から借りてきました。
「マッサン」の鴨居の大将のモデル、
サントリー創業者・鳥井信治郎とその息子佐治敬三を
描いた小説ですが、
作者・邦光史郎さんはビジネス書の著作もあるので、
その視点はドラマチックではなく、ビジネスのおもしろさにフォーカスされております。
「マッサン」はニッカウィスキーの創業者、竹鶴正孝がモデルですが、
こちらは鴨居の大将、ではなく、鳥井信治郎が主人公。
ドラマ「マッサン」では、鴨居の大将の当時ではかなり進んだ広告宣伝の考え方や、
その大胆な行動力が描かれていますが、
こちらの本ではそういう面ももちろんさまざまなエピソードや当時の他社の有名な広告看板などと
ともに描いているのですが、
鳥井信治郎の鼻と舌について、その擢んでた才能を詳細にしています。
ドラマでは太陽ワイン、実際の赤玉ポートワイン、
この調合をしたのは鳥井信治郎でした。鼻には自信があり、ついに念願のウイスキーづくりを
はじめたときも、資金繰りに苦しみながらも、自分の理想とする香りと味をもとめて調合しつづけます。
また、商品でいちばん大事なのは名前、と信じて、自分以外のものにはネーミングを任せなかったそうです。
「マッサン」のドラマとはまったく違う視点で描かれていますが、
洋酒を輸入してマッサンが不快をあらわにした混ぜ物をして日本人に洋酒を広め、
自分が少年時代にあこがれてた本物の洋酒(ウイスキーのみならず、ワイン、ビールをはじめた時の四苦八苦も描かれています)を目指し続ける鳥井信治郎。
ドラマの鴨居の大将の机の上に、虎の置物がありましたね。
私は途中から見たので、もしかしたらドラマの中でもそれにふれたエピソードがあったかもしれませんが、
鳥井信治郎は「五黄の寅」を称していたそうです。
称していたというように本書ではなっているのですが、生まれたのが1879年1月30日 ですから、
立春が干支の切り替えという考え方なら、まぎれもなく五黄の寅だと思われます。
五黄の寅でありながら、どこか愛嬌のある、ドラマの鴨居の大将をみると、
兎と虎のハイブリットという気もしますけど。