12月7日、舟越保武展 岩手県立美術館 最終日に、
パティオで舟越保武展 特別企画メニューをいただきました。
ずーっとこのメニューをファイルブックに入れていて、
たべるのを楽しみにしていたんですよ。
「美術の楽しみ講座」を聴いて、
そのあともう一度舟越保武展を見て、
もはやこれまで!
とパティオへ。
パティオの岩手山が見える角の席は私の中ではいちばんいい席なのですが、
なんと息子がそこにちょこんと座っておりました。
(息子は「美術の楽しみ講座」はさすがに集中できないだろうなあと思って、
レストランでごはんたべててね、ということにしていたんです)
うっとりしているようにみえますが、
なにを頼もうかなあと考えている息子の顔です。
お昼はたべたが、さらになにか食べようと思っているのらしい。
「女房コック論」で一日6食を説いた吉田健一もびっくりだ!
こちらは
【前菜 思い出の街】 秋鮭と木の子のエスカベーシュ
秋鮭とイクラ、下には青じそが敷いてあって、甘酸っぱいソースであります。
舞茸のシャキシャキ、秋鮭の噛みごたえ、イクラのプチプチ感、
鮭のピンク、イクラのオレンジ、舞茸の焦茶色、檸檬の黄色、青じその緑、
多彩な食感と色あい。この季節の紅葉の移ろいのようでもあります。
【スープ 川岸の白い教会】 白かぶのクリームスープ
舟越保武にちなんだメニューなのですが、このメニューの名前が
詩のようで素敵でした。
特定の彫刻やエピソードを思い浮かべるというより、
いくつもの彫刻や風景がかさなるような気がします。
そしてメイン、
【メイン 赤レンガと城跡】
牛肉の赤ワイン煮 秋野菜を添えて
赤レンガといえば、岩手銀行中の橋支店(旧盛岡銀行本店)、
城跡といえば盛岡城跡公園。
とは限らないのかもしれませんが、パッと頭に浮かぶ盛岡の名所であります。
そして岩手銀行のあの赤いレンガは花崗岩であり、
城跡といえば、石垣。石。盛岡のまちのイメージと、舟越保武の石彫を重ね合わせた
メニュー名であります。
とかいうのはいま考えたことで、
蕩けるように煮こまれた牛肉と、秋草の向こうに見える満月のような栗に
舌鼓を打つ私と息子だった。私はソースがすきなので、
パンにソースをたっぷりつけて残さずいただきましたよ。
「舟越保武善随筆集 巨岩と花びら ほか」(求龍堂)
のなかに、レストランでビフテキをフォークで口に運ぶ黒人兵から、
その光る眼や本能のもつ逞しさに惹きつけられた瞬間の気持ちを
腑分けした文章があり、
(「レストランにて」)
私も息子も牛肉を口に運んでいるときはまさしく本能全開だったと思われます。
【デザート 透明な北の空】 洋梨のシャルロット仕立
一品一品が秋から冬にかけての季節感と、
盛岡出身の舟越保武のイメージにあわせてつくられていて、
おいしく、味わい深いのでした。
で、息子ですが、
おやつにクロックマダムを頼んでおりました。
しあわせそうだ。
ちゃんとフォークとナイフでたべておりますが、
眼が光っている。
サービスにいただいた、苺のトッピングのデザート☆
ありがとうございました。
企画展と盛岡の季節が料理に溶け込んだようなメニューでした。
つぎの企画展メニューも楽しみです。