土曜日は仙台市内のいままで行っていなかった
カメイ美術館にも行ったのですが、
予想以上の美術館でした。
「カメイコレクション展 26年度-Ⅱ期」
2014年12月2日(火)-2015年2月1日(日)
「カメイコレクション」より、近、現代の日本美術を代表する作家の作品を中心に、 日本人作家たちにも大きな影響を与えたモーリス・ド・ヴラマンクの作品、 東北ゆかりの作家の作品、現在活躍中の作家の作品を約30点を展示。
◆展示作家◆
金山平三 萬 鉄五郎 藤田嗣治 梅原龍三郎 菅野 廉 鈴木信太郎 小山敬三
中村琢二 佐伯祐三 田崎廣助 荻須高徳 三岸好太郎 樋口加六 三岸節子
杉村 惇 葛西四雄 桜田久美 松井ヨシアキ 原 秀一
荘司 福 能島和明 石踊達哉 片岡鶴太郎
モーリス・ド・ヴラマンク マルク・シャガール
目的は「カメイコレクション展」の萬鉄五郎と藤田嗣治だったのですが、
三岸好太郎、三岸節子もヴラマンクもよかった…。
萬鉄五郎「静物」 1918―1919年
三岸好太郎 「風景」 1934年
しかし、絵画コレクションだけではないのでした。
もともとの亀井文蔵(創業者、お兄さん)のこけしコレクションと、
「こけしの時代」責任編集の写真家沼田元気さんの「こけしの時代」バックナンバーと
こけしにまつわるあれやこれやのコレクションが一堂に会して、
息子も私も大喜びのカオスだった。
とにかくこけしに興味がなかった私たちでさえ、
こけしの不思議な魅力にとらえられてしまった。
そのボリューム、キャプション、熱気。
「こけしの時代」バックナンバーは立ち読みも、お買い上げもOKで、
心行くまで堪能して、迷いに迷って1冊購入…わたし、ほんとうに
こけしには興味があったわけじゃないんですが…。
そしてあくなき蝶コレクション。
蝶コレクションはお兄さんの亀井文蔵さんで、
蝶切手、蝶絵葉書コレクションは弟の亀井昭伍さんがあつめられた
ものですが、
今回は蝶の絵はがきコレクション展。
絵葉書もうつくしいのですが、それに切手が貼ってあるんです。
なんてマニアックな。
絵画コレクションと蝶の絵ハガキコレクション展はおなじフロアですが、
そこから降りて下にいくと、今度は怒涛の蝶コレクションとこけしコレクション…。
いままでにも蝶のコレクションは見たことがありますが、これだけ膨大で
めずらしい蝶のコレクションははじめてでして、
なぜいま、って感じですが、
中2でやったヘルマン・ヘッセ(高橋健二訳)の
「少年の日の思い出」が脳内によみがえりました。
はじめてわかりました。
蝶には心を惹きつけておかしくする何かがある…。
中学生のころは、なんでそんな、蝶の一匹くらいで
そんなに危ない橋を渡ったかね、と思ったのですが、
すまなかった。
蛾も蝶も、半端なくうつくしいです。
人のコレクションからそっと盗んで、軽蔑されて心が痛くなる、そんなことも
ありそうな気がしました。
しかし40年近く昔に授業でやってそれっきりなのに、よく覚えていたなあ。
ポケットの中で盗んだ蝶々が触覚が折れてしまったりするんじゃなかったか。
盗んだのは蝶じゃなくて、蛾の種類だったと思う。
館内写真撮影禁止ですが、
蝶々の翅でつくられた「宇宙賛歌」がすごかった…。
蝶々のコレクションだけではなく、子どもたちが喜ぶようにと、
甲虫類のコレクションもあって、その気持ちに和んだです。
いやー、行ってみないとわからないものですね。
思い立って行ってみて、よかったです。