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「お茶しませう」 劇団もりのべる 第13回公演

いわてアートサポートセンター風のスタジオ

11月29日(土)14:00~、19:00~ 30日(日)14:00~

めずらしく開演15分前に到着!



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この舞台セットは終演後に撮影したものですが、

(公演中もフラッシュなしなら撮影OKだったので、
終わってからならなお大丈夫だろうと思って)


舞台が始まる前は、照明がないので、オレンジ色のファブリックをかけた
ソファーも、マホガニー色のテーブルも、白いテーブルクロスも、
無彩色にしか見えなかった。


風のスタジオは幕がないので、舞台が始まるときはいったん照明を落として、
それからすこしずつ明るくなるか、いきなり明るくなるか、入り方がその芝居全体を
予想させます。

キャストは3人。


はじめにおっとりした雰囲気の女性がティーセットをもってきます。
「おもちゃのチャチャチャ」を気ままに替え歌にしながら、陽気なような、
どこか憂鬱そうな替え歌です。

テーブルについて、紅茶をのみ、遠くを眺めたりして、
倦怠感が全身ににじんでおります。

見えない架空の猫が舞台にはいるらしくて、猫じゃらしで猫と遊んだり、
猫に話しかけたり、独り言を長々と語って国を憂慮したり。

一言で言うと、

有閑マダムな感じ…。

そこへやってきたのは彼女よりだいぶ若い女の子。

会話から、専業主婦で留守がちな夫のいる唯と、
その年の離れた友達で女子大生の奈央とわかってきます。

唯は奈央にmixiってわかる?と聞いて、どうやら夫がネットをつうじて
浮気をしているらしい、と相談します…。

暗転。


今度はオレンジ色のソファーの部屋。

どうやら白いテーブルクロスのリビングセットの部屋と、
まるっきり違う話が展開しているようです。

こちらには同じ年ごろのふたりの女性が登場します。

煮詰まっている美咲と、彼女を励ます洋子(奈央役の女優さんの2役です)。
ふたりはフリーライターで、美咲は苦手なライトノベルの仕事がうまくいかなくて、
煮詰まっているのですが、
クールな奈央と話しているうちに、次第にやる気を出したもよう。

というところで暗転。

また唯と奈央の部屋にもどってきました。
唯は夫のmixi日記を見つけ出したらしく、
それをケータイの画面で読んでいるのですが、

ポエムあり、エリートサラリーマンのできる僕アピールあり、で
けっこううざったいようだ。しかも独身とほのめかしているようで、

また遊びにきた奈央に離婚しようと思っていることを話す…。

一方、美咲と洋子の方は、やる気を出して仕事に
根をつめている美咲に差し入れにきた洋子が、

美咲が生活のために出会い系サイトのやらせメールの
仕事をしていることを知ってしまう。

そこだけはプライドをもってやめようよ、私もたいして仕事はないけど、
なにか仕事がないか探しておくから、とクールに見える洋子が
美咲をひきとめ、

美咲は洋子がもってきてくれた仕事の中から、ゴーストライターを選びます。

洋子は美咲に対して厳しいこともいいますが、ずっと小説を書き続けている
美咲のことを、最後の希望の星だと励ましてもいます。



ここまではふたつの部屋は平行していたのですが、
とうとうクロスする時がきました。

いわゆるオフ会で待ち合わせをした、たかちゃん(美咲のmixiネーム)とまゆみ(唯のmixiネーム)の
ふたりですが、

電話のやりとりで、たかちゃんと名乗るのが女性であることに唯は納得がいかない。
だってあなたはたかちゃんでしょ、なんで女の声なの、たかちゃんを出して、あなたはたかちゃんのなんなの、
というようなことをぐるぐる言い募って美咲を責める。


何度もやりとりがあり、美咲が電話をしている唯を見つけて、直にはなしかけ、
自分がたかちゃんのゴーストライターだった、と話してしまう。

それは架空のたかちゃんになることで、離婚訴訟で有利になりたい夫の罠だった…。
美咲は唯の夫からじかに頼まれたわけではなく、仲介業者を通じてのなりきりだったのだが、

唯は納得がいかず、小柄な美咲をしめあげようとする。

…じつは美咲も奈央(洋子)も小柄なのである。唯役の女優さんが長身のうえ、
ふたりとちがって、ヒールの高い靴を履いているので、なお身長差が出ているのだ。

ここまでわりあい、女性ふたりの会話でまったりと進んできた「お茶しませう」ですが、

ここからテンポが速くなり、

クライマックスは、

ソファーの部屋とリビングテーブルの部屋の融合だった。

ソファーの部屋の美咲と、リビングの唯がそれぞれの部屋にいたはずなのに、

突然、中央から奈央(洋子)が現れ、

あなたたちはいったい誰ですか?と根本的な問いを発する。

それまでは奈央でも洋子でもカジュアルな衣装だったのに、
この場面では黒いスーツに黒い眼鏡で、

アンドロイドっぽかった。

どこかで自分をごまかし、つくろっていたふたりの女性に、あなたは誰?と突きつける
謎の黒い服の女性。

シュールなエンディングだった。



1時間半は長いかなーと思っていましたが、
私も「公募ガイド」を買って、おもにすぐに応募できるエッセイ2,3枚や、標語や川柳に応募していたので、

オレンジのソファーのふたりが公募ガイドを開いたり、ノートパソコンに向かってぶつぶつつぶやきながら
入力したりしているのが、おお、わかるわかるわかるぞー、と思って懐かしかった。

それほど優雅な身分でもなかったが、はた目にはわからない離婚したい妻の悩み、というのもよくわかる(笑)。


最後に現れた黒い服の女性はいったい何者だったのか。

奈央も洋子も孤独なふたりについていた天使のような存在で、最後に目を覚ませ、と一喝した、
と考えるのがいちばん筋が通る気がするけど、どうなのかしら。

というわけで、今月8本目のお芝居を見てきました☆

12月は何本見るのであろうか…。ぶるっ。