岡田美術館の企画展リストはあるのですが、


常設展示室(といっても展示替えもなされており、一定ではありません)の

リストはなくて、ノートにメモを取りながらあるく私。


そんな私に息子がビシッと一言。


(帰りの車中で)


「お母さんはメモを取ったり、解説を読んだりしているから見るのに時間がかかって、

かえって全部見られないんだよ!」


がーーーーーん。


あまり取柄がないような息子のすごい長所は、どんな美術展に行っても、

いやいやであっても、一点も見落とさず見たものは覚えているということだ。

その割り切りぶりにもすごいものがあり、


「真珠の首飾りの少女」なんか、私は最前列で見るために3,4回並んだのに、

息子は通り過ぎながら見て、じゃ!と

そのままギャラリーショップで待っていた…。割り切りすぎだろ!でも白菜のために2時間半並んでも

へー然としているのだ。基準がさっぱりわからん。



前回の岡田美術館では春画コーナーを見落としてしまい、

痛恨だった。


息子は見落とさなかった。お母さん、奥のほうにもいいのがあるよ!と言っていたんだけど、

時間切れで~。


今回は無事、北斎の傑作、「浜千鳥」(すごくよかった)を見てきましたよ。


それにしても、


「なんであんたは見落とさないわけ?」


と聞いたら、


「そりゃあ、男ですもの」とすましているのだった。



岡田美術館、息子は私の三倍速で見ても、見るべきところはもちろん見逃さないのであった。

すごい特技だと思うがなんの役に立つんでしょうか。


ちなみに私は


北斎の「浜千鳥」が鳥居清長の「袖の巻」、歌麿の「歌まくら」とともに、

春画の三大傑作であることも、


北斎の「浜千鳥」は黒の線だけ版木で刷って、あとは一点一点彩色した贅沢なもので、

男女のまぐわいの背景のキラキラした白いものが白雲母摺だること、6点あったこと、



などをメモしていたのですが、


メモしていない息子の目にはどうも男根の色だけがほかの肌の色と違うことが気になっていたもよう。



そこか!


そこなのか!!


「男ですもの~」なのか!


ちなみにおなじ日本画の展示室には、今回、

北斎の「堀川夜討図」があって、女の人の着物や顔が特によかったので、


そういえば、美人画や春画はお栄のほうが上だ、とか北斎が言っていたなあと

連想する。そんなキャプションはなかったのであくまで私の「妄想」です。


北斎を見るとかならず杉浦日向子の「百日紅」を連想するんだよなー。



岡田美術館の春画はほんとうに見事な上に展示替えもあるので、

おいでになった方はぜひ、見落とさないでくださいね。


って誰に向かって言っているのか(笑)。


息子は不思議なことに浮世絵の美術展は誘うとのこのこついてくるんですが、

浮世絵には男心を刺激する何かがあるのかもしれんです。


あ、我々は春画ばっかり見ているわけではないです、

もちろん。