舟越保武彫刻展 ~まなざしの向こうに~
岩手県立美術館 10月25日(土)~12月7日(日)
☆巡回先美術館(会期)
郡山市立美術館 2015年1月24日(土)-3月22日(日) tel.024-956-2200
練馬区立美術館 2015年7月12日(日)-9月6日(日) (予定) tel.03-3577-1821
郡山市立美術館 2015年1月24日(土)-3月22日(日) tel.024-956-2200
練馬区立美術館 2015年7月12日(日)-9月6日(日) (予定) tel.03-3577-1821
郡山市立美術館は外観と雰囲気が岩手県立美術館に似ていた印象があるので、
3館比べられたらいいなーと思っているのですが、どうかなー。
館長講座で舟越保武についてのお話があった時に、この企画展の
CMもあったのですが、
担当学芸員の吉田尊子さんから、ドローイングが多く出品されるので
楽しみにしていてください、というお話があったのですg、あ
ドローイングの力が想像以上だった。
展示は6章に分かれていて、彫刻家を目指し、東京美術学校受験から
習作時代、ブランクーシなどの抽象彫刻に影響を受けた作品、
長崎の26聖人像(岩手県立美術館の4聖人の展示)とそのドローイング、
(ここの章のドローイングの力に圧倒される…)
パブリックな彫刻群、
晩年の右半身麻痺と格闘しながら作り上げた作品、
「ゴルゴダ」、「その人」「ゴルゴダⅡ」「マグダラ」
と舟越保武の人生を、作品と言葉で一緒に旅をしているような
展示に感じられました。
いちばん衝撃を受けたのが生まれて数か月で天に召された
長男・一馬さんを描いたこの作品でした。
ありったけの水仙を集めて棺にいっぱいにして送ったそうです。
大原美術館所蔵の、「陽が死んだ日」熊谷守一 を重ね合わせずにいられません。
親としての悲しみと、表現者としての業の鬩ぎあいのなかで、
それでも描かざるをえなかった。
同じ年、舟越保武は同郷の友人以上の大きな存在だった、松本竣介も亡くしています。
子どもも多く、貧しかったのですぐに駆けつけることができなかった、とエッセイの中で
松本竣介の死についてだけ語っています。もしかしたら、すぐに駆けつけられなかったのは、
愛児に続いての親友の死に、膝が崩れるような衝撃があったからではないかと、
この絵を見ながら考えました。
子どもを失うことは悲しみの中でも最大のものです。
それを描かずにいられないほどの苦しみを思います。
具象だけをやっていたと思われがちな舟越保武ですが、
じつは同時代のいろんな表現にアンテナを張っていました、
という解説を聞くと、見慣れたこの魚も違って見えます。
いままで、渓流釣りがすきだったとか、魚はキリスト教のシンボリックな
ものだとか、そんなふうに見ていましたが、ブランクーシ…たしかに。
いままで二階の常設展自室でもなんどか解説やギャラリートークに
参加してきましたが、
今回の企画展ではじめてドローイングをみて、圧倒されました。
特にこの長崎26聖人のものは26人いるからというのもあるのですが、
長い時間をかけて、真摯に作品に向き合い、殉教した人たちの声に
耳を傾けた舟越保武が想像されるのです。
たまたまですが、少し前に読んだ末井昭さんの『自殺』にも長崎26聖人を
見たことが書いてありました。
浦上天主堂とともに、長崎にいつかまた行くことができたら、
その前に立ってみたいと思ったのでした。
ギャラリートークでお聞きしたエピソードや解説はもっと多いのですが、
またのちほど。
ギャラリートークをうかがって、きょう11月1日の企画展関連イベントである、
「かたちの詩学-舟越保武と沈黙のコトバ」
出 演 : 若松英輔氏[批評家]
場 所 : ホール
こちらも参加したくなった私です。
いろいろ切羽詰まっているので、ではでは。