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まるでポスターみたいですが、きょうはほんとうにきれいな秋空で。

秋田駅にはちゃんと「秋田の行事こちら」の目立つ標識があるので、私でも大丈夫。

盛岡駅に標識を出すとしたら?と思いましたが、岩手県立美術館も岩手県立博物館もいいところなのですが、駅近くではないので標識はそぐわないか。

秋田はお隣なので、なにかとライバル意識をもっちゃいますねー。

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さて、千秋美術館では企画展「秋田の絵描きそろいぶみ!」を11/9(日)までやっているのですが、
同時に藤田嗣治の障壁画「花鳥図」のレプリカの展示も開催中でした。

レプリカではあるのですが、実物は海外のしかも会員制クラブとかでまず一生見ることは出来ないので、レプリカでもありがたいです。

でもね。

レプリカなら写真撮影OKにしてもいいじゃんね?と思うのは私だけでしょうか。

6曲1双の金屏風で、左隻は水鳥が描かれしずかな感じ。右隻はなにかを狙う、猫と鶏(目つきが鋭い!)が主に描かれ、野性味炸裂といった対照も楽しめます。

いつか、パンフレットの形にでもしてくれることを祈りますわ。


さて、2階の千秋美術館へ。

サブタイトルに「秋田蘭画から近代の日本画まで」とありまして、私が見たかったのは秋田蘭画。

いつもは千秋美術館のIFの受付の近くにレプリカの展示があるだけなので、きょうは本物をまとめてみられるのじゃ!と。

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図録を買えばよかったかな…。しかし図録はあったのでしょうか。所蔵品図録かな。

いちばん印象深かったのは第二展示室の平福穂庵、百穂親子でした。
特に百穂の「獅子図」(1915)、6曲1双の屏風絵がよくて!

垂らしこみの技法を使い、獅子の顔や四肢の一部や髭に金泥を用い、

あっ!栖鳳!と思ってしまいました。

竹内栖鳳の「大獅子図」は1902年ですから、栖鳳の獅子に影響されたものではないかと。



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こちらはお父さんの穂庵の「乳虎」(1890)。

当時は珍しかった虎は日比谷公園の見世物に出ていて、一週間通いつめて描いたそうです。

口のあたり、牙や口の開き方など、円山四条派の流れを汲む絵師なのですが、

この絵は飛び抜けているように思いました。

メインの秋田蘭画もよかったです。

南蘋派の影響と平賀源内による蘭画の混じり合った独特の深い暗さのある色彩と細かな描写、遠近法。
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画材の取り合わせもユニークで、佐竹曙山(秋田藩主)の「燕子花にナイフ図」一幅などはルネ・マグリットまであと一歩、と思ってしまいました(笑)。

佐竹曙山に蘭画を教えた小野田直武の「児童愛犬図」も、なんというか、ハイカラさと中国の寒山拾得の不気味さが入り混じって見え、不気味できれいで凄くすきな絵です。

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あー、秋田蘭画の大きな美術書があって、27000円なのでさすがに手が出なかったのですが、

図書館で秋田蘭画の本を探してみたいなあ。あの暗い画面と細かな描写が、すきですきでたまらんブリューゲルの世界にも通じるものがある気がするんですよね。ブリューゲルもほぼオランダだし。

秋田蘭画は4月から楽しみにしていたので満足。

そしていつもは見ないで帰る岡田謙三室もきょうは見てきたのでした。

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猪熊弦一郎と東京美術学校で同期(この同期が錚々たるメンバーすぎる)だと知ったのは今年の夏で、

えっ、秋田市立千秋美術館にいる岡田謙三さん、同期だったのか!と。

学生時代は黒田清輝の教え子にあたる先生に習い、優秀な成績だったそうです。学生時代の絵はそんな感じ(笑)。

しかし、パリでやはり同じ東京美術学校の先輩でもある藤田嗣治やエコール・ド・パリの画家たちのキュビスムなどの影響を受け、

さらにニューヨークでは当時注目されていたポロックなどの絵がわからない、とスランプに。

(あー、画家でもわからないってあるんだとホッとする。そういえば私はどっちもすきなんだけど、土田麦僊は甲斐庄楠音の「横櫛」を「穢い絵」として認めなかったし、画家でもわかる絵・受け入れられない絵は人様々ってことなんでしょうか。でもこの場合は現代絵画の先端がわからないということなので、素人には及びもつかない苦しみだったのかも)

その後、色彩を面として構成した作品へ画風が変わり、そうなってからの絵はとてもいい。

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岡田謙三の絵をはじめて見た2年前は、全然よさがわからなかった。

いろんな絵を見て、絵の歴史みたいなことが入ってきて、だんだんわかるようになったのだと思う。勘のいい人は最初からいいと思うんだろうなあ。