10月26日(日)に、「日本の国宝展」開催中の東京国立博物館に
行った際、常設展示室で眼に入った、
「青花魚藻文壺」 中国・景徳鎮窯 元時代・14世紀
「上質のコバルトでまるで動いているかのように
生き生きと文様が配されており、元青花の典型的な特徴をそなえる。」
元青花とは、元時代に制作された青花、中国における染付。
元時代の染付の魚と藻の模様の壺、ということでしょうか。
この壺が眼に入ったのは、重要文化財だからだけではありません。
キャプションの赤い枠線で囲まれた「重要文化財」や「国宝」は
もちろん注目してしまうのですが、
小茂田青樹の「ポンポンダリア」の、青い壺がこの東京国立博物館所蔵の青い壺だから。
横浜美術館所蔵の「ポンポンダリア」の解説を聞いたときに、この壺が
東京国立博物館所蔵の重文で、小茂田青樹がとーはくに通ってこの壺をスケッチした、
と知って、
その壺いつか生で見たい!と思いましたが、あれから1年ほどで見られる機会に恵まれて、
ラッキーであります。
青花魚藻文壺のお魚にくらべて、小茂田青樹のお魚のほうが躍動感がある感じですが、
絵全体のバランスにあわせて、青い壺の中のお魚を自由におよがせてみた、
という解釈がとてもすてきでした(言葉はこの通りではなかったのですが、画家のイマジネーションによって、
単なる写生の壺ではない、という指摘は言われないと気付かなかったので、感激したんでした)
それだけのことなのですが、
もし、横浜美術館所でキュレーターによる解説を聴いていなかったら、この壺の前もさーっと
通り過ぎていたんだろうなあ、と思うと、
いろんな体験が私の眼をつくっていくんだなあと思ったんでした。
美術展だけではなく、メールや、読んだ本やテレビ番組や、思い出などいろんな要素が…。