東京にいく少し前に中野修一さんから個展のポストカードが届き、
タイミングが合うということも、なにかのサインであろう、と思って見に行くことにしました。
ギャラリーストークスは青山のマップでみると根津美術館や岡本太郎記念館の近くなのですが、
山種美術館からあるいてもそんなにかからないです。
ギャラリーストークスについて入ると、中野産の絵のあるあたりには
数人のお客さんがいたので、ベランダの方にも作品があるということで、
奥へ。
あれ?
そう、じつは中野修一絵画展(「楽園を捜して」)と、野村和弘石彫展の
ダブル個展(10/21~11/3)だったのでした。
どちらも動物モチーフだし、ユーモアがあって親しみやすい。
野村和弘さんが在ギャラリー中(という言葉があるのでしょうか)だったので、
石彫についていろいろお話を伺いました。
ウサギの後ろにはトランプのキングとクイーンのカードがあって、
「不思議の国のアリス」だな、と。
ノルウェーにアトリエがあって、ノルウェーの公園に設置された
石彫が背景とよくあってよかった。
ここのベランダスペースも、もともとデッキウッドなのですが、石彫を引き立てるために、
人工芝をしきつめた、とギャラリーの方がおっしゃっていました。
羊の石彫は海外で人気なんだそうです。そういえば、羊の絵画も多いなあ…と、バルビゾンの絵画展を連想して思ったのですが、
こちらの羊さんもですが、
頭と体の石は一体型です。磨き方で墓石のようなつるつるの黒い石と、
ざらざらしたグレーの石に見えているのだそうです。
石もそれぞれ、違う土地(国)の石だったりします。
制作しているところの写真も見せてもらったのですが、
手作業で彫っていることにおどろきました。全部手作業では大変すぎるので、
研磨などは機械もつかうそうですが、私には石を彫る感覚が不思議です。
いちばん忘れがたいのがこのカエルの王様ですよ。
最初はカエルをつくっていたんだそうですが、
ふと、王冠を載せてみたら、ポーズやエリザベスカラーの衣装、
杖などみんな変わって、最終的にはこうなったそうです。
王冠や杖の先、襟の下のボタンなどは黄色い石、エリザベスカラーは泡のような
白いもやもやした模様のある石、ほかは白に黒いゴマのある石と、いくつもの石を
使い分けています。
さすがにこちらは磨き分けではなく、腕などジョイントでついているそう。
ただ、冠は頭部に孔をあけるのが忍びなくて、またジョイントされていないというのが
可愛い。
![{8C6C2175-C30E-43E7-A19E-7CF6044643CC:01}](https://stat.ameba.jp/user_images/20141027/14/withwitch2/63/c2/j/o0480064013110831961.jpg?caw=800)
に絵の準備をしているときの日記などがあって、
ぼやっと撮れてしまった絵も載っていたので画像を借りてきました。
「夜警」
都会の夜をのしあるく恐竜の化石。
「夜景」と「夜警」をかけてあるのですが、化石というより、
北斎や暁斎の髑髏の絵を連想してしまうのですが。
うごきあるいてる、ガシャガシャした音が響いているのだと思われます。
秋田県湯沢の「絵どうろう祭」の個展会場でも見た空飛ぶペンギン。スピードがあって、痛快です。息子いわく、北海道の空飛ぶペンギンを超えてるね!だそうです。
中野修一さんのこの「都市と動物」シリーズをはじめて見たのは2年前の絵どうろう祭のグループ展でした。
4年ほどやめていたそうですが、その昔の作品で、買うならこの子だな~と思っていたのが、
雪の降る秋田の町をあるく象さん。画面全体が水灰色で、
なにに例えればいいんだろう…とずっと言葉をさがしていたのですが、
フレスコ画の色や質感に似ているように思えます(「ウフィツィ美術館展」でフレスコ画を見ていて、あ!と合点しました)。
油彩ですから、フレスコ画ではないのですが、
ポストカードの左端のお魚の絵に似ているかも(色味などが)。
都市と動物シリーズの都市は実在の都市で、
動物たちも上野の動物だったり、ギャラリーに中野さんは不在だったので
お聞きしたわけではないのですが、「夜警」は上野の国立科学博物館の恐竜じゃないかな?
と想像しています。