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イノシシのお肉は直子さんと熊谷さんの共通の知人の方から
送られてきたものでして、まさかまるまる一頭毛皮付きでこんにちは!ではなく、

仕留めてすぐ解体され、ある程度血抜きもされてクール便で送られてきたものなのですが、

血抜き作業が大変だったみたい。塩水で洗って血抜きするそうです。

お肉は山くじらと言われるだけあって、昔の鯨のステーキと豚肉のハイブリッドな食感と味だった。

臭みとか脂っこさはなくて、肉をたべている!という実感がありましたよ。


というアナンダマイドな読書部ですが、今回のブックレビューは5冊。

まずはイノシシ作業に携わった大川さん。

ロシアのSF作家の「ストーカー」。


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「ストーカー」 アルカジイ・ストルガツキー、ボリス・ストルガツキー(兄弟の作家)

タルコフスキーの映画の原作にもなった本で、


「日本だったらアニメ化マンガになっているようなストーリー」
と大川さん。

自分の願望を映したことで死んでしまう、その時に、

「すべてのものに幸福を分けてやるぞ!」と叫ぶ、
その言葉に打たれます。

なぜこの本を選んだのか、という部長からの質問に、

仕事の抑圧が大きかった時があり、同じようにしんどい目を
している人(宇宙人)がいる、ということにホッとしたということを
話してくれました。

「生きている、ゾーンが目こぼししてくれたんだ!」



この時は精神的に落ち込んだ時に、どんなふうに助けを求めればいいのか、
という話になっていったのでした。

で、SFはここ20年読んでいない私ですが、大川さんのブックレビューに心動かされ、
作家について調べたら、

「兄 アルカジイのデビュー作は第五福竜丸事件を題材にした『ビキニの涙』である。
またアルカジイは安部公房の「第四間氷期」のロシア語訳を行っている」と。


タルコフスキーについては「惑星ソラリス」だけ見に行って、けっこう
眠かった。という記憶しかないのですが、

映画2時間以内にしか傑作はない理論とは別次元の映画だった…。


しかし、この時は精神的な落ち込みについての話が沸いたのですが、


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中学生のもみじちゃんが紹介してくれた絵本が衝撃。

「ここが家だ ベンシャーンの第五福竜丸」

絵がベンシャーン、文・構成がアーサー・ビナード。



第五福竜丸事件を絵本にしていたというのも知らなかったのですが、
絵が透明感があって、いい絵なんですよ。



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絵本はお母さんが図書館から借りてきたものの1冊で、2週間に1回、

10冊借りてきてくれるそうです。


この絵本から、直子さんが島民の健康調査のドクターに同行して

マーシャル諸島に行ったときの話につながり、




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もみじちゃんのお母さんが取り上げた本が、


1993年に萬鉄五郎記念美術館で開催された「岡本太郎展」の

図録でした。


表紙が「明日の神話」。第五福竜丸をモチーフにしたものです。


私が岡本太郎をいい!と思うようになったのはここ最近のことで、

子供の頃は、「グラスに顔があったっていいじゃないか」のCMに、

「だめだなんて誰も言ってないじゃ」と思っていて、


ずっと、日本の洋画なんて西洋のパクリだ、と思って興味がなかったんです。

ひでぇなあ。


最近になって太郎の書いた本や文章や、絵を見ることが多くなり、

太郎、なんてかっこいいんだと思うようになっており、


ここで太郎の話で盛り上がるのでした。周りには太郎がかっこいい!というのが

わかってくれるひとがあまりいないのでうれしい。


しかし、第五福竜丸つながりは特に意識されたものではなかったそう。


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もみじちゃんがマスター・熊谷さんから、読んだことある?と
渡された「AKIRA」。

2020年のオリンピックが来年だ、という近未来SFだったのですが、
それが現実になっている…。


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そして部長が取り上げた本が、

「生き心地の良い町 この自殺率の低さには理由がある」

職場で自殺したひとがいて、そのひとがまさか自殺するとは思っていなかったことに
ショックを受け、また、違う地域であっても、職場の重圧から自殺するひとが
いて、

どうすれば解決するんだろうと思ったことがきっかけだったそうです。


自殺には個人的要素と社会的要素があり、その社会的要素から

自殺率を低くするにはどうしたらいいのか、というテーマです。




この自殺率の低い町は四国・徳島の町だそうですが、

隣町は逆に自殺率が異常に高く、作者はフィールドワークで

町の成り立ちから調査し、


この町は大阪冬の陣のあと、木材が大量に必要になった大阪へ

木材を町を流れる太い川を使って送る商いのために、


各地から集まってきた一匹狼的なひとたちが作ったまちで、


そのために自殺率の低い要因となった、



・絆がつよすぎるとよくない。ゆるいつながり。


・いろんなひとがいていい


・どうせじぶんなんてと考えない


という性質を自ずと持つようになったもよう。


「病 口に出せ」という言葉もあって、トラブルや不都合なことがあったら、

口にしたほうがいい、ということも言われているそうです。


あいさつする、情報交換する、素性をさぐりすぎない、粘着しない。


自殺についての本というと、個人の心の問題や家族関係に

終始する本が多い気がしますが、


この本のフィールドワークによる分析にはパッと目の前があかるく

なるような気がしました。




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さて、お肉で脳内ハッピーホルモンが出ていた私たちですが、

その後、千葉家差し入れの葡萄があり、


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ご覧のようなケーキの饗宴もあり、

ブックレビューも食も、ブックレビューから展開したおしゃべりも、
みっちりした夜だったんでした。

読書部、来月も楽しみだ!