ブログのカテゴライズも微妙なもので、これを「本」のジャンルにするか、
旅のジャンルにするか、微妙ですが、
この「ニッポンの名建築を旅する」も今回の旅の参考書でした。
(もちろん、コピーして持って行ったりしない。
頭の中になんとなく入ってるな~程度にしておいて、
帰ってから照応するのがすきなのです)
香美市立やなせたかし記念館 アンパンマンミュージアム。
藤森照信さんのこの本を読んで行こうと思ったんでした。
アクセスは車でないと難しいところですが、
マンガ家で記念館にキャラクターの名前をつけるところって、
藤森さんの指摘どおり案外ないですよね。
かといって、アンパンマンの顔そのものが建物になっているわけじゃなくて、
ミュージアムは額縁的な役割に徹していて、四角くへこんでいる。
へこみの中は(撮影できないんだけれど)、アンパンマンの絵が一面にあって、
大きな階段を上がりながら、子どもたち、途中で絵をみたり、絵本を読んだりして、
そういう景色がまたいいんだ。
丸亀市猪熊弦一郎現代美術館。
こちらもたぶん、日経おとなのOFFのムック本で紹介されていた気がする。
でもやっぱり建物が強烈にいいんですよ。
こちらは谷口吉生さんの設計で、東京鵜国立博物館の法隆寺宝物館や葛西臨海水族館といわれると、
あーー、確かにテイストが…と思うけど、
さらに壁面に大きく描かれた子どものラクガキ風のイラストが強烈。
藤森さんの「それにしてもプロの絵描きがよくこれだけへたな絵を描けたものだ。
本当に腕の立つ画家だったんだろう」と解説文でおっしゃっているのが納得。
丸亀市立猪熊弦一郎現代美術館のあとで行った、小金井市立中村研一記念はけの森美術館の、
「猪熊弦一郎展 どんなことをしても僕なんだ」では、
その腕のたつ画家の若いころの手がつけられないほどの達者さと、マティスに上手すぎる、と評されてその影響を脱するまでの格闘や絵の変化、やがて自分の絵になってからの自由な世界を堪能したんですが、
藤森さんのこの本を読まなかったらここまで来ないよなあ…。
そして絵金蔵で思わず田中ジョンと目が合って買ってしまったこちらの本ですが、
なんと、「赤岡不思議幻灯会」に、路上観察学会の藤森照信さん、南伸坊さん、赤瀬川原平さんに、林丈二さん、梅原真さん(絵金蔵のロゴデザインもこの方)の錚々たるメンバーが…。
ほんとうになんの予備知識もなく、ふっと手にしたんですが、
んー、今回の旅はある意味、ひとり建築探偵団の旅でもあったなあと。
高知をタクシーで観光したとき、運転手さんが、土蔵などの不思議な瓦屋根のについて、
あれは水切り瓦というんですよ、と教えてくれましたが、
まさにその水切り瓦についても赤瀬川さんが目にとめて語っておられて、
ちょっとうれしかった。
この「ニッポンの名建築を旅する」にもあった、「イサム・ノグチ庭園美術館」はお盆休みで見学できなくて残念だったけれど(しかも高松だったのですよ)、
北海道では「モエレ沼公園」に行ってこようと思う私でした。
藤森さんのことはずっと前から知っていたというのではなくて、
去年、あいちトリエンナーレ2013で藤森さんの作品、空飛ぶ泥舟に入って(梯子段で宙づりの舟に乗るのだ)から、なんだこの発想!すごい!と思ってからファンになり、
藤森さんの本をよんでいたら、もともとすきな赤瀬川さんのニラ・ハウスの設計もやっていたり、
山口晃さんとの共著もあったりして、
あー、やっぱりすきだ、と思うことっていままでにすきだと思うことやひととつながっていることなんだなあと
思ったのでした。
ってことで美術館に急ぐのだ!