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ポール・セザンヌ「草上の昼食」11876-1877 21×27


○○美術館展にはいままでいろいろ騙されてきました(笑)。

たしかにこれはいい!という絵もあったのですが、たいていはポスターに
遣われているその1枚だけだ。ひどい。まあ見る眼のない私のせいもあるんだろうけど、

今回のオルセー美術館展はそんないままでの○○美術館展への不信感を
ぬぐってありあまる。

名画というより、見逃したらもったいない絵ばかりなのだ。

あらたに気になるようになった画家もいるし。


セザンヌ。
いままでどこがいいのかわからなかったんです。

でも、

今回のオルセー美術館展でははじめてセザンヌのタッチがおもしろいなあ、
色がいいなあと思えたんです。


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「牧歌」65×81.5

こちらもマネの「草上の昼食」を下敷きにしていますが、

人物たちがみな勝手な方向をみているうえに、

女性たちがどことなく神話の女神のようなポーズをとっていて、
みんな裸婦なのに対して、

男性は服を着て、現実の人のよう。

セザンヌってこういう絵を描くひとだったんだーという発見があって、
興味が出てきましたよ。



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「マンシーの橋」1879年ごろ 58.4×72.4

川に映った橋と深い緑がさまざまなタッチで描かれていて、
また奥行きが感じられない平べったい感じがおもしろくて。

色は暗いけれど透明感があって、そこもいいと思える。


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こちらはモネですが、実物はもっと青が濃くて、神秘的な雰囲気です。

「アパルトマンの一隅」1875 81.5×60

解説パネルがなくて、青い色が印象的な絵だなあと思って、
家で解説を読んだら、息子のジャン・モネを描いたものでした。

見たことはなかった絵ですが、非常に惹きつけるものがありました。


お隣に並んでいたのが、ベルト・モリゾの「ゆりかご」で、
あー、そういう意図で並べたのかと。

しかし、解説の最後に加えられた一文は衝撃的でした。


ジャン・モネは1897年にアリス・オシュデの娘の一人と結婚する。
アリス自身、1892年に画家クロード・モネの2番目の妻となった。



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エドゥアール・マネ「婦人と団扇」1873-1874 113×166.5

背景は金碧障壁画でしょうか。金箔の地に鶴と松が描かれた
日本趣味を思わせる調度であります。

そこに扇面流しよろしく、団扇があしらってあるのですが、
この背景はほかの絵でも使われているそうです。

背景は日本趣味ですが、

この女性の実に着けているものは黒のドレスに金の縫い取りのある短い上着、
金の腕輪にサンダルと、アルジェリア風の装いであります。

芸術家たちのミューズ的な女性だったようですが、すでにアルコール依存の傾向があったらしく、
この絵のおよそ10年後に他界したそうです。
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私が上の「婦人と団扇」から連想したのはドガの

「アブサンを飲む女」1876 でしたが、


まんざら的外れでもなかったみたいです。