扉のこの「肺ガンなんてもっとばたばたと…」のセリフでギクっとしました。
主人公が肺ガン?
と思ったら、それは主人公のひとり、筧史郎のお母さんのことでした。
初登場の時は、シロさんが同性愛であることになんとか理解を示そうとして無理をした挙句、エキセントリックなお母さん(でもさすがシロさんのお母さんだけあって美人)でしたが、
連載の始まりから物語の中でおそらく7年くらい時間が経過しているようで、
お母さんも落ち着いてきたみたいです。
シロさんのゲイ発覚で動顛して新興宗教に走り、大変な時期もあった筧家ですが、
お母さんもこうやって過去を振りかえるようにもなったのですね。
と思っていたら、日頃冷静なお父さんがこの激情(笑)。
農家の6にんきょうだいの二番目で家のことは一通りできるのですが、
料理はやったことがないらしく、レンジでチンしたフニャフニャしたものはもう嫌だ!と。
それにしても、最初は大手銀行を定年まで勤め上げたサラリーマン然としていた気がしますが、
ずいぶん、「おじいちゃん」になったなあ。
今、心をひとつにして食卓を囲んでいる。
マンガの中に流れる歳月に感動するるというのも不思議ですが、
親の老いも病気も、死も(シロさんのパートナー、ケンジのお父さんは連載中に亡くなり、事情があって、ケンジが遺骨を引き取りに行きました)
ほんとうにリアリティがあって、シロさんとほぼ同じ年齢のせいもあって、
登場人物たちが読んでいるこちらと同じ年数を刻んでいることを感じます。



