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「水の音」関連イベント 講演会 夕涼みレクチャー「水の変容~固まる水と動く水~」

講師:安村敏信氏 国際浮世絵学会常任理事・山種美術館財団評議員

日時:2014年7月26日(土) 17:30~19:00
会場:國學院大学 院友会館

開場は17:00すぎでしたが、ロビーのソファにやたらと血色のいいおじさま達が大量にいて、

え!

おじさんってそんなに美術ファンなの?こんなにたくさんいたら、前の席は無理だな、と思っていたら何と!


國學院大学レスリング部同窓会のみなさまでした…國學院大学にレスリング部、あったんだ…。

それからまもなく開場し、もちろん、講師の方の顔がいちばんよく見える席をチャージ!

こういう時、東北だったら最前列は最後まで1、2席は空いてますが、東京の人は容赦ないよねー。息子の席取りをしようと思ったら、もう隣に男性が着席!神業か!

定刻になり、山種美術館山﨑妙子館長から講師の安村敏信氏の紹介がありました。

出身が富山というのを聞いてピーン!と来たらこの勘が的中したのでした。それはおいて、


山﨑館長から、講演会が終わると皆様帰りを急がれると思うのでいまここで、

と、

今後の美術館関連イベントの紹介と、来年度までの決まっている展覧会スケジュールが発表されまして。

ドキッとしたのが、2014/4/18~ 6/21の松園と女性たち(だったかな?)。他館からも借りて展示するとか。

2013年の名古屋市美術館の松園展のインパクトが強すぎて…。松伯美術館の所蔵品やとーはくの「焔」や、東京芸術大学美術館の「序の舞」、東京国立近代美術館の「母子像」、借りてくれるのかなあ。「焔」はk今年の春、やっと見られました。やっぱり凄かった。「焔」と「花筐」を並べて見ることができたら凄いんだけど。松園は下絵も見せてくれるので、下絵もお願いします。とひとり妄想爆発!


Googleアートプロジェクトに参加したので、展覧会中の美術館のようすがストリートビューで見られますよ、というのも画期的。調べたら国内3館目だそう。

というお話の後、いよいよ、安村敏信先生の講演へ。

と言っても、お話の導入がさりげなくて、


一昨日、用があって東京の立川から故郷の富山に行って、昨日また東京に戻ってきたんですが、

というお話から、ゆるやかに講演へ。

ちなみに富山出身と伺って私が連想したのは、富山県水墨画美術館で「上村松篁展」やってるし!でしたが、

安村先生、まさにその「上村松篁展」関連でお仕事をなさってきたのだそうです。

さて、スライドに入る前に紹介された絵は、あまり絵画では例がない、洪水の絵でした。応挙の「七難七福図」。

その天災の部に大洪水が描かれているのだそうです。そして、天災の絵より怖いのが人災の絵で、角に松明をつけられた牛に四肢を引っ張らせて八つ裂きの刑にするものだ、と。

天災より恐ろしいのは人災。

こういうふうに、ポロっと深い言葉をおっしゃるんですよ。

では、講演会のレジュメに沿って、取り上げられた絵やお話を。


1.文様化された水

・固まる水 青海波文様

「能衣装に描かれた青海波」
「青磁染付七壺文皿」サントリー美術館

ここで鍋島焼の七寸皿は昔は家が一軒立つくらいで、と。

岡田美術館と三井記念美術館で見た鍋島焼が~。そしてサントリー美術館のそのお皿は、「おもしろびじゅつワンダーランド in 東北」で見たことがありました~。

鍋島焼のモチーフで絵付けをしよう、というお遊びのコーナーで。

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青海波の変形ヴァージョンとして、

波頭があったりして動きの出てきた青海波も紹介されます。

櫛にも「青海波蒔絵螺鈿櫛」があり、

紅型の青海波をくずしたような文様も紹介されました。

絵画だけではなく、あらゆるジャンルから紹介される水の表現。

おもしろかったのは、長谷川等伯の「柳橋水車図 屏風」(香雪美術館)。




工芸の意匠を絵の中に流し込んだ、という表現にハッとしました。

海北友松「浜松図屏風」

「柳橋水車図屏風」の流れを引いたような絵です。

桃山時代は「絵の中に意匠を持ち込む」時代で、


現代の眼から絵画と工芸を分けるのが間違いであって、

同じ意匠を絵画にも工芸にも入れてもいいという意識があった、と。


ここで思い出したのが岡田美術館の尾形乾山でした。光琳・乾山、どっちが上だとか思ってなかっただろうなあ。

で、ここで柴田是真!!

「若冲が来てくれました展」以来、あちこちでその幅広い才能に出会ってきました。是真も、工芸・絵画・植物画・落語などノンジャンルで活躍していますが、

ここでは漆作品「青海波漆皿」が登場。是真が難しさから途絶えていた青海波塗りを復活させたと。


是真では、

絵の中に漆、工芸的な青海波を入れた「貝尽図屏風」もよかったです。

・動く水 墨流し文様

(つづきはここから)

2.水流・波のさまざま
・動く水 応挙 保津川

・固まる水 水の文様化

3.水の画家 北斎

・動く水 沖裏

・固まる水  諸国滝めぐり

4.滝のさまざま
・動く水 元信・大仙院

・固まる水 那智滝

5.広重の雨~動く水~

6.水中の描写

7.描かれない雨

8.怪奇の水