{F3A281A3-D3B3-4020-B9DD-E756C23CD88A:01}




東北のアートがクロスする場になりたいと、
北の十字星とも言われる白鳥座のCygnusから名付けたCyg(シグ)。
3年目の夏、それを具現化するべく東北の作家と共に大規模な展覧会を開催します。

日時 2014年7月1日(火)~ 8月24日(日)
11:00~19:00/会期中無休

会場 Cyg art gallery
参加作家
安西大樹
長谷川誠
柿崎真子
松山隼
尾崎森平 ちばさなえ
樋口佳絵
辛遊理
森田梢
大槌秀樹 出町隼人
本田恵美
小林志保子
ナガバサヨ
柴田有理 越後しの
本田健
工藤陽之
根本裕子
髙橋克圭 福田紗也佳
石川春香
増子博子


広野じん 木彫はるのパンまつり ではじめて入った、
Cyg。見たいと思っていた、シグセレクト(~8/24)、
会期はまだあるけれど、

美術展の鉄則、それはできるだけ、できなくても、
無理をしても、会期の初めの方に足を運ぶこと!

いいな~また来たいな~と思ったらもう一度行けるし、
図録やグッズも最初は華やかですが、あとになっていくと、
完売ということもあるしね…サントリー美術館の「飛天の舞
天上の夢」はいまだに失敗だったと思う。行っただけましだけどでも。

岩手県立美術館にコレクションされている作家さんの作品も出ていると
知って、それも気になっていたし、

やっぱり「はるのパンまつり」のインパクトがすごくて、またああいう
おもしろい体験ができるのかな、という期がありました。


{9E56B120-3358-4751-B57A-9BBB8272F7D6:01}

ああ、捨てる神あれば拾う神あり、

私はいつも拾う神です。いえ、チラシが神なのです。
よって、バッグの中も車の中も家の中も玄関もトイレも、
あらゆるところが神の洪水です。

有り難いことです。

さて、図録はなかったのですが、

松本裕子 さんの作品がインパクトがあったなーと。

奇妙な空想の森の中に生きる動物たちの作品、

「瞑想の森」。

はじめ、痩せた豚?と思ってCygの方にきいたら、
空想の動物だと。豹だと思っていたものも、尻尾が変だったり、
痩せて皺が弛んだ象か?と思ったものも、空想の動物でした。

木彫だと思ったら、陶芸作品だったのもおどろきでしたが、

まったく異なる作風の陶芸作品の青と白のひとや金色の鶏など、
空想の王国の物語を感じさせるようなシリーズもおもしろかったです。


繊細なイラストのポストカードをよくみかける、

増子博子 さんのモノクロームの繊細であまりに緻密すぎてシュールで
グロテスクでさえあるイラストもよかったのですが、

グッときたのは、モノクロームの天ぷら!!

やはりCYgの方に聞いたら、なんと!

食品サンプルのプロに外注した作品なんですって。あまりに衣の
ぶくぶく泡をかんじさせる仕上がりに、どんな素材をつかったのだろう、
と気になって伺ったら。

食品サンプルは子どもの頃からのあこがれですが、モノクロームで作ると
そこにシュールなおかしみが生まれます。

柴田有理 さんの作品群(群なんです)もおもしろかったです。

言葉と素材と、コラージュ、イラスト、新聞記事の写真に絵を描いたり、経木に描かれた絵もあったし、作家自身の写真にアレンジを加えたものもあって、

さまざまな絵と文章を触媒にして見る人にはたらきかけようとする、
不思議な世界。底にあるのは般若心経をの写経のような、求道的なものではないかと
感じました。

美術館でその作品世界に親しんでいる、

長谷川誠 さんと本田健さんの作品もありました。

本田健 さんの作品のうち1点はみたことのない、油彩の小品で、新鮮でした。

小正月(ひな草)というタイトルで、雪の深い山奥の小屋の窓からみた外の雪と、
室内の小さな緑と白の花が生き生きとしている…かなりの厚塗りでゴツゴツしたマティエール。

長谷川誠さんの「遠い種子」は、最初は雪嶺に見えたのですが、近づいてよく見ると、
それは雪が溶けてみえてきた春の山の萌える草や地衣類のようであり、

下の方には細かく長くのび、絡み合う根が描かれています。

ギャラリーでは顔がくっつくほど近くまでよって作品をみられるので、いろんなことに気づいて、
そこが美術館とギャラリーのちがいかなーと思いました。値段がついているという根本的な違いもありましたね(笑)。


Cygの展示作品にはすべて値段がつけられてあって、売約済みの○シールもあって、

美術館ではまず価格の話はでない(でも東京国立近代美術館の「現代美術のハードコアはじつは世界の宝である」展では、ザザビーではこんな価格で落札された、という解説パネルに度肝を抜かれましたが、

価格が表わすものについて考えるきっかけになりました。

6枚の真っ白な写真とも合成写真ともつかない作品があって、
これはなんだろう、白のなかになにかがある…と思って、

聞いてみたら、青森の山奥にでかけて、吹雪きのなかで
撮影したものなのだそうです。

柿崎真子さんの作品でした。


いろんな画家や彫刻家の、いろんな作品を一度に見ることができて、
真面目にじ^--っと見る作品ばかりではなくて、思わず笑ってしまうとか、
和んだり、親しみを感じたり、そんな作品も多く、リラックスして楽しめる
展覧会でした。


8月24日までに、まだ1ヵ月あるので、もう一度見に行けたらいいなーと。