岩手県立美術館の2階常設展示は、萬鉄五郎室、舟越保武・松本竣介室の岩手出身の画家・彫刻家と、
それ以外の岩手出身または岩手出身ではないけれど、岩手にゆかりのある画家・彫刻家にわけられています。
新収蔵作品の圧倒的な存在感について書こうと思っていたのですが、
わが萬鉄五郎室も見逃せません!!
「飛び込み」の油彩はだしてくれるはず!と思っていたのですが、この掛け軸ははじめてみました。
いい!!
すごくいいです!!
油彩の「飛び込み」2点とともに語りたい。お客様と一緒におよぐことについて盛り上がりたい。
ちなみにちいさい方が1912年、大きいかな方が1915年、軸が1912年頃の制作とされています。
私がもっている図録にはこの「飛び込み」のための素描の図版もあり、その比較も楽しい気がします。
去年の夏もずいぶんこの絵について語ったのですが、今年はそれになにか1枚でも厚みを加えることができるでしょうか。
それとも、
水遊びを楽しむ!という切り口で「飛び込み」「水着姿」のグループと、
ハダカ!という切り口で「男」(3点おなじタイトルです)3点と、「裸婦習作」2点(学生時代の作品)と「立てる裸婦」かなあとか、
赤が萬さんのいつもの茶色がかった赤じゃなくて、紫がかった強い赤で、背景の水色と赤の対比で、おなじ配色の作品を見たことがあって、その作品とも比較してみたい気がします。
と、見ているだけでもうワクワクしてくるんですが、
私、2年前は萬鉄五郎の絵は「裸体美人」と「赤い目の自画像」しかすきじゃなかった。ひどい(笑)。
いまはどの絵もじーっと見てしまう。
「仁丹とガス灯」が出ていて、これは小品なんですが、すごくおもしろい絵なんですよ。
おなじモチーフですこしずつ違う絵があったり、「ガス灯」というタイトルで全然タッチも色合いも違う作品があったりで、その比較がまた楽しいし、
盛岡は日本で最初にガス灯がついたまちだという説があるので、(横浜が最初だという説もあります)そのあたりもおもしろいかなと。
岩手県立美術館の中でいちばん多くの点数を占めている萬鉄五郎なので、これからも、はじめてみた!がたくさん出てくると思います。
違う画家のことも勉強しなくてはと思いながら、なかなか。
でも常設展示室のし水七太郎と手紙のやりとりがあったり、五味清吉や橋本八百二も東京美術学校にわりあい同じ時期に在籍していたり、
そういうつながりからすこしずつ、広げて行けばいいか~と楽観している私でした。
舟越保武展が今度あるので、その時に舟越保武について勉強できれば、と考えています。