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(6/28に書いた記事です)


きのうのギャラリートークの記事を少しだけまとめてから出かけます。
どこへって、



美術館ですすみません、美術館はなしばっかで。

それにしても岩手県立美術館とキリコの例の古代の神殿モチーフは
よく合うなあ。

キリコ、ギリシャ生まれだからてっきり両親もギリシャ人だと思っていたら、
イタリア人だったのですねー。知らなかったよー。




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「福音書的な静物」1916 大阪新美術館建設準備室
(国内からの出品は3点。てか大阪新美術館って気になるわあ)


私は高校生の頃、アンドレ・ブルトンの「ナジャ」がすごく読みたかった。
当時すきな作家がシュールレアリストたちの絵を小説の中によく出していたので、

(シュールレアリストとは限らないですが)

ダリやキリコの絵は当時からよく見ていました…もちろん画集でね。

しかし、30代あたりからはあまりシュールレアリスムの絵に以前ほどは
惹かれなくなって、ダリもキリコも晩年は自己模倣に堕してるしさ!と
思っていました。

30代くらいまでの絵がすきで、どちらも長生きしてくれたのはいいんだけど、
どう見ても下手になって行っているとしか思えんかったです。

しかし、きのうギャラリートークを聞いて、考えがすこし変わったので、
それを書こうかと。

この「福音書的な静物」に出てくる、ドーナツみたいな形のものと、
長方形でザクザクした形のものは、イタリアのビスケットで、

キリコはこのビスケットだ大好物だったもよう。

私もお菓子はすきな方なので、長方形の方はガルバルジーだな、と
あたりをつけましたが、

ガルバルジー、「グレーテルのかまど」で竹久夢二の愛したお菓子ということで
取り上げられていたのですね。

うちには正真正銘テレビがないので全然知らなかったです。

テレビを見ないようにしているんじゃなくて、物理的にないわけ。
たまーにNHKの視聴料集金の調査が来ますが、


ないわ。

の一言で、さよか、とお帰りになります。

でもこういう時、あー、テレビが週に2,3時間見たいわ、と思う。
場所をとるから置きたくないんだけど、すきなチャンネルが見られるテレビの権利つきで
お茶を出すお店があったら絶対行くと思うわ。



ガルバルジー


ドーナツ型のビスケットの方がわからず、

ネットで検索したところ、

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パルミザーノ・クッキー・アプリコットという黄色いドーナツ型のクッキーがでてきました。

こちらは中にアプリコットジャムが入っていますが、フィリングはいろいろだそうです。

イタリア、ベネチアのブラーノ島伝統のドーナッツ型クッキー。

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こちらは「ビスケットのある形而上的室内」 1968

間が50年離れているのですが、かなり似通ったモチーフであります。

私はこの過去のパターンの焼き直しが大きらいで、
ダリもおなじパターンの焼き直しが後年はふえ、しかも
絵がゆるくほどけてしまったような感じを受けていたので、

キリコの絵についても、なんでこんな自己模倣に走っちゃうんだろう、
と思っていました。電球人間の絵はすきですが。
(私が電球人間と名付けているだけで、正式名称ではないです)


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これは「遠い友からの挨拶」1916年

相変わらずガルバルジーすきですな。


そしてこれはピエモンテ地方の馬蹄型のお菓子で、
トルチェッティというそうです。


ギャラリー・トークではべつにお菓子教室じゃないんだから、
お菓子の名前は出なかったのですが、キリコがビスケット好きだったことを
伺って、独自の調査をしてみたわけ。

ギャラリー・トークは調べ学習のヒントがいっぱいだ!




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よく言われることですが、画家には自画像をたくさん描くタイプの人と、
あまり描かないタイプの人がいるそうで、キリコは前者。


たしか60点ほどの自画像があるそうですよ。

そしてその特徴ですが、


1、コスプレ(なにかに扮している自分を描くのがお好みだったらしい)

2、誰かと一緒の自画像(これはかなり珍しいタイプ)


上の絵を観た時、海辺で凍えている感じ?と漠然と思っていたのですが、
これは彫像のコスプレ。首から下が石彫風ですもんね。

ルネ・マグリットの絵にも石化したライオンと紳士の絵がありましたが、
もちろん、マグリットは自画像として描いたわけではなく、
そのあたりが興味深い比較であります。


(これも調べ学習のテーマだ!

マグリットとキリコ、デルヴォーとキリコについて比較してみたい!)


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こちらは、「母親のいる自画像」


自画像でお母さんと一緒ってあまり聞かないなあ。

お父さんはキリコが17歳で亡くなり、このころはお母さんと暮らしていたそうです。
お母さんを思う気持ちは人一倍だったのかもしれません。

でもお母さんと一緒の自画像…やっぱり変わってるなあ。

もちろん、妻と一緒の自画像もありますし、
妻を単体でモデルにした作品もあります。

パリ市立近代美術館所蔵作品がほとんどの展覧会ですが、
そのもとになったのは、二度目の妻のイッザベラ・ファーからの

キリコ作品の遺贈でした(イザッベラは1990年没)。


(つづく)