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きょうの解説に参考図版としてもちこんだ本であります。


この他にライブラリーから大下藤次郎の本を借りまして、

これをiPadに入れて見せたらどうかな~とも考えたり、


コピーしたものをバインダーに挟んで資料として使うのがふだんなんですが、

きょうは重たい本の持ち込み…こういうのを使わなくても言葉だけで解説すればいいんですけどね。

でも、萬さんの代表作「裸体美人」と黒田清輝先生の「野辺」が見開きになっている、「明治大正ふたりの変革者 黒田清輝と萬鉄五郎」はいい本なんですよ。。

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盛岡の古書店で買ったんですけどね。図書館で借りて読んで、ほしいなあと思ったら、べつの本を探しにいった書店でパッと目に入って。

美術館のライブラリーからお借りした大下藤次郎の水彩画と、黒田清輝先生の外光派、萬さんの絵と比較しつつ、少年時代から東京美術学校時代の絵について解説をする私だった。




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これは銀座の古書店の閉店セールで200円だった。お値打ちものである。わたくし的に。

「芸術新潮  特集アメリカン.ドリームに賭けた日本人画家たち」は、東京美術学校に入学する前の年に、萬さんが禅宗の布教活動の一行について行って、アメリカの美術学校入学を目指していたのが、じつはそういう時代の風潮だった、という参考に…今回も話だけで図版は全然使わなかったのに、何で持って行くかしかし。

 
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萬鉄五郎収蔵作品集(萬鉄五郎記念美術館で買ったもので、下絵や素描が充実していて楽しい。萬さんがかなり凝ったことをやっていたことがわかるし)。

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「美の国わが故郷」これも萬鉄五郎記念美術館で。絶筆の「宝珠もつ人」の解説にはやはり、毘沙門堂の「木造兜跋毘沙門天立像」をお見せしたいし。


あんまり資料に頼ると、肝心の絵と対話する時間がもてなくなるので、ほどほどにしないと、と思うけど。

きょう来てくださったお客様は、ある絵について、これは描いているうちに塗りつぶしたんじゃないかな、とおっしゃったり、

私もすきな水墨画の軸ものについて、これはいいな、と長くみてくださっていたので、解説はまだまだまだまだだったのですが、

あー、きょうもいいお客様にお会いできてよかった、と。

萬さんの絵は、キュビスムとかイタリア未来派とかフォーヴィスムとか、後期印象派などとよく言われているほかにも、ナビ派みたいな黒い輪郭線と奥行きレスな構成とか、塗り残しを意図的につくったところとか、ほかの画家からの影響とも、自身の中から生まれたものとも、はっきりわからないところがあって、

断定的な言い方をさけながらも、次々へーきでが風を変えていく萬さんにめまいを覚える。

そのめまいをお客様と一緒に体感したいと思っている私なのだった。

来月も2回やる予定ですが、次回は展示替え前、2回目は2期展示に変わってのものなので、

いろいろ楽しみです。

「ガス灯」「水着姿」。あと水墨画の解説も少しずつ取り入れて行こうと思っております。