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「江戸絵画の真髄展」、曾我蕭白と若冲の目玉の商品のコーナーを抜けたらそこに、ふわっとした色味と筆致の鈴木基一の「風神雷神図襖」(8面)がこんにちは。

あー、風が吹き付けてくるような爽やかさ。


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俵屋宗達を模した福井江太郎筆 風 刻」を岡田美術館で見たことも繋がっているなあと感じました。もちろん、俵屋宗達の 「風神雷神」もトーハクで見ております。
それも春だったので、なにか七並べの最後の方みたいに、バタバタと引いたカードが合うみたいな快さ。                         

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こちらの紅白の萩の対照と、満月でも三日月でもない、月齢7、8日くらいの曖昧な形の奥ゆかしさ、

制作された時の色味はどんなふうだったのか、それを思うのも古い時代の美術品を見る時の楽しみです。

前はいま在るものしか見ていなかったのですが、「若冲が来てくれました」展のギャラリートークで学芸員さんが、ある屏風図について、これはいまは薄くなりましたが、金箔と銀箔でした、プライス邸でこの屏風の前に座って庭からの自然光で拝見した時、畳からの反射で金と銀が絵から浮かび上がって、

というようなお話を伺って以来、金箔の跡はあるけどすっかりうすれたものや、銀が黒ずんだものにも、往時を想像して楽しんでいるのです。

ギャラリートークに参加していいことは、絵をより楽しむ見方や感じ方を教えてもらえることです。


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こちらは展示の順路の最初の方にあった狩野派の屏風図でして、紅白の萩の襖絵に引き継がれたものを見ることができます。

時間をかけてたっぷり味わった気がします。

紫露草の足元にチョン、といるのは鶺鴒。盛岡の市の鳥ですが、

「若冲が来てくれました」展で鶺鴒のいる屏風図を見てから、鶺鴒には敏感です。


マラソンの練習で高松の池のまわりを走るようになった時、池の水鳥の名前を覚えようと思って、


キンクロハジロ、バン、マガモ、オナガカモ、たまには水鳥以外のきれいな鳥も見かけるので、それも調べて、

鳥の名前もこの数年で前に比べたらだいぶ覚えました。

そのことも絵を楽しむことに役立っています。

またまたマンガの台詞ですが、「ちはやふる」(百人一首のクイーンを目指す少女の成長物語。熱血スポ根です)の中に、4連覇のあと産休で休んでいた元クイーンが再び挑戦者としてクイーン戦に戻ってきたのですが、


「私のカルタは誰よりも私が楽しむカルタよ」という台詞(もちろん内心の声ですが)があり、

私も美術展を見る時は、

「誰よりもこの美術展を楽しんでいるのは私よ!」

と思って見ています。そんなところでも勝負する自分って…と思いますが、


「みんなその気でいればいい」(「真っ赤なスカーフ」「宇宙戦艦大和」の挿入歌)


とも思います。美術展に来る人がみんな、ここにいる誰よりも美術展を楽しんでいるのは自分!と思えば、


ケータイを鳴らしたり、関係のないおしゃべりをしたり、絵をガラスケース越しとはいえ突っついたり(実際三菱一号館美術館でやっている母親がいて戦慄した。すっ飛んできた館員に注意されていた)、

そんな悲しくなるようなこともなくなると思うんです。

つづきます。