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本展のポスターのセンターを張っている若冲の「象図」。

大きいんですよー。

今回の展覧会は東京フジ美術館の所蔵展だったので、撮影OKでした。常設展示が撮影OKはよくあるけど、ま、まさかこんなお歴々がとふるえるふるえる。

じつはガラスケースに手をついているひとや、なんとケータイの電話に平気で出て話続けている人などがいて、

もう!

と思っていたところへスマホでパシャパシャやっている人がいたので、

これは注意しないと~と思ったら、所蔵展なので撮影してもいいそうですよ、と逆に教えられる始末…まあいままでいろんなパターンを経験してきたので、もしかしたらOKかも、と思ってそんなに高圧的な言い方はしなかったはずだけど。

え?

ケータイおじさんにははっきり注意しましたよ。そしたら、なんと!「あ、すみません」と言いながら、あるいていったな、と思ったら、そのまま通話しているのよ。

私もそれでもうやめたよ。せっかく遠方から美術展を見に来て、そんなおじさんに関わってイライラしたら時間の無駄でしょー。社会人として言うべきことは言った!でもそれ以上関わる必要はないし義務もない。運動をはじめてから切り替えが早くなったんだー。

やっぱり人間、体力よ。

ふつうの軸ものに比べて、横幅が広めにでいていて、そのことがより象さんを可愛らしく見せている気がします。

耳の思い切った丸さもすごいが、その線も迷いがなく、たっぷりの黒い墨を含ませて、耳の上は濃く太く二度描きしたのかな?と。最初に淡墨で輪郭を描いてから、上の方だけまた濃い墨を用いたのではと。

頭の上の3つの弧はこれで象の背中を表しているのだそうです。

斬新!

そして鼻先の薇みたいな巻き方と、前足の指と爪がぶるぶる震えながら、塗り残されている線がまた変でいい。

象なのかタコなのか発揮してよ!といいたいような足先の表現であります。

また、どことなくこの象さんには仏様みたいに見える。脚がいっぽんに見える表現なので、仏様が着ている服のように見えるんです。                                                              


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こんな有難い象を撮ってしあわせだ。
ふふふ。


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ご存知若冲と言えばの鶏図。

しかし象さんが真ん中なので、従者のようです。






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奇想の画家、曾我蕭白の絵も興味を持ってからそんなに経っていないのですが、きょうはずいぶんたっぷり見せてもらいました。

鶴図屏風。

これが後期展示でして。

70点の展示のうち、

目玉の「秘蔵の若冲、蕭白、応挙、呉春の名品、初公開!!」、鈴木基一の風神雷神をはじめとする「爛熟の時ー江戸後期 各派の多彩な継承者たち」、谷文晁、椿椿山など「南画の系譜」はみなふとっぱらにも通期展示です。


だからそれ以上のことは望んでいなかったのに、「鶴図屏風」が後期でして。ほんとうに有難い。

図録は特になくて、かわりにか撮影に燃えている男性がいたのですが、さすがの私もそこまではなあ、と思って、

あとでiPhoneで見返したい絵だけにとどめました。それに限ってもけっこうあったのですが。

この鶴の神秘的な佇まいと、尾羽の細かな描き方、背景のもわもわした墨の使い方、語る言葉が乏しくて自分が悲しくなりますが、

この屏風の前で、静かにじわじわとよろこんだ私の気持ちが伝わればうれしいです。



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6曲1隻の屏風のなかのレイアウトも立っている鶴の方は広々としており、若い鶴の方はけっこう左端に寄って背景の松の古木と一体化しているような…。

自在だなあと思います。描けないえなどなさそうです。


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蝦蟇仙人。曾我蕭白らしいグロテスクさ、線のおもしろさを感じて、えー、この絵も見せてもらえるんですか!と。

予習してこいっつーの!

蝦蟇仙人の懐にいるのはまさしく蝦蟇ですが、蝦蟇の顔の方が人間らしい品性があり、蝦蟇仙人の方がよほど蝦蟇らしいのはなぜ。

反射してしまっていますが、軸装のものは壁面に取り付けられた壁から数センチのアクリル板のカバーがしてあって、

スタッフの方に伺ったところ、通常も使われている展示ケースだそうです。軸装のものがガラスケースの棚に入っていると、遠くに感じて見づらいし、保存に気を遣う日本絵画の展示もだんだん工夫されていくのかなーと感じました。

それは岡田美術館の展示でも感じたのですが、それはまたのちほど。


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亀寿花図(亀仙人)。

おなじ仙人で隣りに並べての展示ですが、打って変わって、ほのぼのしてませんか。

やや荒んだ顔立ちの亀にまたがっておられる亀仙人ですが、見方を変えれば、亀の頭が亀仙人の息子に見えなくもない。ははは!


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「南泉斬猫図」途中で絵が切れてしまいましたが、この先に生きた可愛い猫が掲げられております。

ずったり斬るのでしょうか。

すこしは故事来歴について勉強しないと絵をみてもなんで?の嵐です。

男のボロボロの衣の描き方が怖い。次の瞬間、猫の生首がポーンと転がっていそうです。


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これはおなじみ鍾馗様ですが、
髪も髭も激しく風に煽られ、

傘と髭と袖からにゅーっと出た腕、みんなタッチが違って、みんないい。

曾我蕭白はほかの作品もあったのですが、反射が多かったのでそれは撮らなかったんです。

全部の絵を何回も何回も撮影していた男性に対して、ちょっとやりすぎかも、と思っていましたtが、私も人目を気にせず、もっと撮ればよかったかな、と思ったりしています。

まあ、iPhoneで撮ると、撮ったからわかったような気になってしまうのがいやだったので、メモもとったりしたんですけどね。

若冲の象さんと曾我蕭白の数々の絵だけで十分おなかいっぱいになった私でしたが、話はまだ終わらないのでした。つづく。