「ケサラン・パサラン2」、
表紙カバーの由良子さんの指先に注目。
高畠華宵もそうだったのですが、山岸凉子さんも指先がやわらかくてほんとうにこんなふうに曲がるそうです。
だからなのか、50歳を越した由良子さんの顔はちょっとやりすぎじゃないかってくらい、
老けてる。
しかし鑑定士は土地そのものが凶相だと笑います。
素人からしても出入りしにくいところに家は建てるもんじゃないですよ。あと周りの家の人が境界を強引に広げてくると、解体工事の重機が入らない…なんてね!(実話。温厚な私だがもちろんふつうにご立腹だ)
で、一方デザイン会社はすてきな設計をしてくれたものの、
で、一方デザイン会社はすてきな設計をしてくれたものの、
雨樋が外から見えないメンテの不安については、結局詰まったらまた工事しに行きますから、って落ち着かないんですけど。
実家は父が会社に入っていた時代に、父ももちろん大工として稼いだ家で、襖や引き戸がピッタリ隙間がないのは当たり前だと思っていたんですが、いま解体のために近所の人に持っていけるものは持って行ってもらおうと入ってもらうと、そこに感心される。
(べつの作品のやはりイラストレーターの由良子さんと姪の関係があまりに、叔母さんリスペクトなのと鏡の関係です)
この判断でいいんだ!
よく言った!
紫苑ちゃんはもう勝手にしてよ、ですが、これも必要な回り道だったんだと思えます。紫苑ちゃんが小賢しいことを言うほど由良子さんの器が大きいことに気づかされる気が。
その後また自分で設計を引き直してついに、あの鑑定士のおじさんから「大吉」の太鼓判が。
その後また自分で設計を引き直してついに、あの鑑定士のおじさんから「大吉」の太鼓判が。
その後に、
家を大吉にするのは本人次第と言われて、いままでのドタバタはなんだったのと脱力する由良子さんですが、
で、「ケサラン・パサラン」ですが、
ふわふわの羽っぽいもので、見ると幸せになるらしい。私は全然知らなくて息子に聞いたら、ジョーシキ!みたいに語ってくれましたよ。
この終わり方も由良子さんらしくていいなあと。由良子さん=山岸凉子ではないと思いますが、
失礼ながら山岸さんもこの由良子さんを可愛いな、と思いながら描いていた気がするんですね。
岡野響子さんも、厩戸皇子も、ノンナも六花ちゃんもみんな山岸凉子の中のキャラクターだったように、由良子さんも山岸凉子の中から生まれたキャラクターだと思うのですが、
そこに距離の余裕が生まれて、読後感の明るい爽やかな物語になった気がします。