写真撮ってもいいよコーナーじゃなくて、入口のパネル。
いちおう、受付のお姉さん方に、撮ってもいいですか?と聞いたら、
ま、いっか!という感じでOKが出たので。
たぶん現場判断に任せるエリアだったと思うんですけど、
お姉さんたちがさばけたタイプでよかった。
どんな感じの展示かなーと思って行った、「角川大映映画展」ですが、
資料の展示といった、映画史的な面と、お客さんを楽しませるパネル展示や、
写真撮影OKコーナーなどの両面が充実していました。
角川映画では、やっぱり私は薬師丸ひろ子と原田知世ですね。
高校生までは映画を見たことがなかったので、短大生になってはじめて
アルバイトで潤沢なお小遣いを得ることができたし、まわりも映画を見に行くので、
角川映画どっぷりよ。
「時をかける少女」「探偵物語」の二本立てとか、いまとなっては夢のようである。
昔は二本立てがふつうで、しかも料金を一回払ったら、あとは一日映画館に居てもよかった。
ひろ子ちゃんファンの私はもちろん「探偵物語」を見て、「時をかける少女」、そしてもう一度「探偵物語」と、
サンドイッチ方式でみていました。一日映画館で終わることを「しあわせ」と思っていました。
そんな萬さんじゃないが、人生の中でそこだけぽっかりとお日様があたっているような
時代と角川映画が重なっており、
感慨深かったです。
「犬神家の一族」は横溝正史のファンで、角川文庫の横溝正史をほとんど読みつくした感じだったのですが、やっぱりあの佐清ですよ。
映画はもちろん、テレビのロードショーで見たんですが、
(映画がヒットした時は中学生だったので)
あおい輝彦が復員兵なのにぶくぶく太ってさ、という金井美恵子らしい
映画評を読んだのは高校生になってからでしたね。
ぶくぶくしてましたっけ?
薬師丸ひろ子でいちばんすきなのは「セーラー服と機関銃」です。
弟も薬師丸ひろ子ファンなんんですが、「狙われた学園」だそうだ。
「翔んだカップル」がすきというひともいるらしいけれど、なんでよ!と思ったものです。
特にすきだったのが、ベリーショートでなぜかブリッヂしているところ。
このパネルのひろ子ちゃんはショートだけど、撮影中に髪をもっと短くした
らしくて、そこだけ短いんですよね。
顔立ちがインドっぽいので、観音様みたいですてきだった。
で、
撮影していいパネルにはなかったのですが、私がジーンとしたのは
勝新太郎の座頭市ですよ。
すごい、かっこいい!
ポスターのなかの勝のポーズが焔のようだ。
抜き身で向かってくる感じ。ギラギラしている。立っているだけで滲みでる色気。
なんだこの迫力は。
撮影に使った、市の刀の展示(もちろんガラスケースに入っている)もありました。
私が勝新太郎を知った時はもうそんなにギラギラとした抜き身のひとじゃなくて、
太っ腹で豪傑だけど、間抜けで愛すべきキャラ、になっていました。
で、重ね合わせたのが、唐突なようですが、バルテュス展ですよ。
バルテュスは勝新太郎と家族ぐるみのお付き合いをしていたんです。
資料として、勝がバルテュスに送った着物などがありました。
「座頭市のキモノ」と喜んで愛用していたそうです。
まさか秋田に来て、上野の美術館とリンクするとはな…。分からないものだ。
だから私は興味がなくても出かけるのだった。出かけてみればやっぱりいろんなことを得るわけで。
「しこふんじゃった。」「Shall we ダンス?」、よかったなあ。
こないだは図書館の映画室で「おくりびと」を見ていいなあと思ったけど、本木雅弘がいいなーと
思った最初が「しこふんじゃった。」なんです。
「Shall we ダンス?」は役所広司さんがもちろん断然カッコいいんだけど、私は渡辺えりさんがすきだったので、あの大会用に思い切って奮発したピンクの華やかなドレスの渡辺えりを思い出しただけで胸が躍る。
懐かしい映画のパネルやポスターに、こんなはずでは、というくらい惹きつけられてしまって。
秋田ゆかりの映画人の紹介コーナーに、内館牧子さんがいて、講演も聴いたことがあったので、
お父さんが盛岡出身、お母さんが秋田出身なんだよね~とは知っていたものの、
「REⅩ 恐竜物語」のダイアローグライター というのが意外でした。
「REX」はお母さんが大竹しのぶで、まだ幼い娘が安達祐実で、恐竜がすきなので見に行って、安達祐実、可愛い!と思ったものです。その安達祐実がもうお母さん…時の流れってすごいなあ。
そんなに映画を見ていない私でさえ、ずいぶん知っている映画が多かったのでした。
「二代目はクリスチャン」のポスターを見て、やっぱり志穂美悦子、いいよなあ、と思ったり、薬師丸ひろ子の「新八犬伝」、どうでもいいことかもしれないが、ポスターには大大的に出ているあの弓を引くシーン、実際の映画ではパパッと終わってしまい、あれはないよな~と思ったことも思い出しました。
展覧会の感想なのか、展示が呼び水になって溢れだした20代30代の映画と私の思い出なんだか分からないけれど、懐かしい映画がもう一度みたくなる、そんな企画展でした☆