7月6日まで岩手県立美術館、常設展で特集されている、南部鉄器。

私の実家は「風鈴の町」で、帰省シーズンになると駅のホームに
南部鉄器の風鈴が連なり、JR東北本線で実家に帰るシチュエーションはもう
無いと思われますが、女子生徒の夏服と風鈴がワンセットで記憶に残っている。

家でも南部鉄器のすきやき鍋とか鉄瓶とか、日用品として愛用していたものです。
風鈴はもちろん当たり前に南部鉄器。


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さて、美術館にもどりまして、

「戯蛙」 松橋宗明(1871-1922)


松橋宗明は東京美術学校出身の鋳金工芸家で、南部鋳金研究所の初代所長として迎えられ、伝統の技術を継承しつつ、新しい技術を導入し、南部鉄器の技術の改良と近代化に寄与しました。
彼の作品は蝋型原型を用いた複雑な造形が特徴で、高い技術力と繊細な感覚がうかがわれます。
                                        (常設展 出品リストより)

ちょうど、きのう借りてきた「別冊太陽 岡倉天心」がありますので、
確認してみましょう。

東京美術学校開校は明治22(1889年)2月でした。


気になるのは蛙の後肢です。みょーんと伸ばしていますね。



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これ、三井記念美術館で開催中の「超絶技巧!明治工芸の粋」展、
正阿弥勝義(1831-1908)の「蓮葉に蛙皿」であります。

正阿弥勝義の蛙は後肢をやはりみょーーーーんと長く伸ばしているんです。

こんなふうに。いやもっとデフォルメされて、マニエリスムがこの肢にだけ宿ったのか?

といいたくなるくらいのもので。後期、刺繍絵の展示替えがあるだけなんだが、もう一度行く気満々なので、
あの肢が異常に長く感じたのが思い込みかどうか、確かめたい。

それにしても、後からの写真もあるとよかったのになー。




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こちらも南部鉄器ですが、作者は鈴木盛久(13代)(1896-1976)
蜻蛉モチーフの茶釜は「姥口蜻蛉釜」。


なにやらごつい蜻蛉で、オニヤンマにちがいないよ、と思ってしまいます。

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こちらは正阿弥勝義の「蜻蛉図香合」



蜻蛉と蛙、日本人には親しみやすいモチーフですが、


私だけでしょうか、あの名曲が脳内で奏でられてしまうのは…。




トンボと カエルが 結婚 結婚 すーる

だから

とんぼ返りなのだ!

こーれでいいのだー こーれでいいのだー

元祖天才バカボンの パパだから パパなのだ



蜻蛉と蛙って昔から見慣れているもののはずなのに、工芸や絵画になったものを
見ると、なぜか強く惹きつけられます。

あー、南部鉄器と明治工芸を並べてみたかったので、やっとこの記事がかけてスッキリしました。
お付き合いくださいまして、ありがとうございます。

ではでは☆