南山城とは京都府南部の旧国名、木津川流域にあたる。
南山城に存する寺院は規模が小さく、宗教的思索を深めたり、
静かに学問・修業を行う場としての役割を持っていたとされる。
十一面観音菩薩像の多い地域である。

図録のはじめにあった解説ですが、私のことですから行くまで、
南山城が木津川流域だということも知らなかった…。

ただ、チラシにあった千手観音が気になり、絶対おもしろいはず!と
行ってみたのでした。

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十一面観音立像も千手観音も如来も明王像もすばらしかったのですが、

仏涅槃図(常念寺 重文) 鎌倉時代 がまた興味深かったです。
時代が古いものなので、クリアな画面ではないのですが、

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ご覧ください、白象と唐獅子が仰向けになって、
小さな子どもが泣き叫ぶみたいに四肢をよじって、
嘆いています。


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こちらは江戸時代の仏涅槃図で、原在中(報恩庵)

報恩庵とは一休寺とも呼ばれ、あの一休さんが晩年を過ごし、
墓所もある寺です。

あ、一休さんの肖像画や袈裟、坐像もありました。
こちらの仏涅槃図はオーソドックスに見えますが、



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白象はまだしも(隣に江戸時代の見世物として大人気だったというラクダさんもいますね)、唐獅子がやっぱり仰向けになってイヤイヤをしている、
ようにみえるんだが。おサルさんは人間のように片手で涙を
ぬぐっているみたい。

全然違う話ですが、「ぐりとぐら」や「ぐりとぐらのおきゃくさま」の、
大団円の頁と仏涅槃図がどうしたって重なる…。
私だけでしょうか。

家にも絵本がありますが、肉食動物も草食動物も、かたつむりも、みんなお招きされているわけですよ。

今度並べて鑑賞してみよう…。


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そんでもって、やっぱり仏像ですよね。

こちらは四天王立像(重文 海住山寺)ですが、これをみて連想したのが、

あべのハルカスの「東大寺展」の最後にあった、
東大寺法華堂執金剛神立像の彩色復元CGを思い出すなあ。




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彩色復元CGを脳内でやってみましたが、
四天王がなにかこう、ロックバンドのように
思えてしまいました。
ありそうですよね、仏像ロックバンド。


それにしてもこの四天王というか、仏像の「天」のひとたちの
いでたちはすばらしい。

仏像の基本的な分類は「如来」「菩薩」(お地蔵さまもここの人、地蔵菩薩)、
「天」「明王」だそうですが、
如来と菩薩は裸足で蓮の花に乗っている、天は履物を穿いて、戦いのいでたちをしている、
明王は他宗教に対抗する仏像なので、こわーい顔をしている。

という基本だけは入りました(笑)。

ではでは☆