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ホールのスクリーン下手から、「つゆのひとしずく~植田正治の写真世界を彷徨う~」の監督・佐野史郎さんが入ってきて、

きのう講演会だった、展覧会の監修者・写真史家の金子隆一さんが入場。

自己紹介などののちに、映画の上映になったのですが、

きのう夜更かしをした上に、その前の日も寝不足の私には、

モノクロームの写真を元にした映画で起きていられる自信がなかったです。

でも!36分の上映があっという間でした。ストーリーやドラマティックとかアクションなど、文字通りの目の覚めるような映画ではないのですが、

植田正治の写真を見ながら感じていた漠然としたものが映画の中のつぶやくような(音が小さめになっていただけだったということがのちに判明)声や音楽になって聞こえてきて、

写真世界を彷徨っている自分と、それを向こう側とこちら側に分かれた自分が見ている、、、不思議な感覚が心地よかった。

つげ義春のマンガや夢野久作や内田百閒や、澁澤龍彦の書斎や、いろんなすきな作家や漫画家や画家がその不思議な感覚の中に混じり合って溶け込んでいるような…


映画の上映後のトークも、初手から、実は松江出身だけど植田正治について全くしらなかった、ということから入って、

金子隆一さんとのトークが親しみやすく、深く、えもいわれぬ可笑しみがあって、

ずっと聴いていたいくらいでした。


私はきのう、植田正治が境港出身なので、水木しげるの話が出ないかなーとずっと待ち構えていたら、

地元の人にはあまり認識されていなかった植田正治、という話の中で、


佐野さんが、

水木先生は植田正治さんは昔からエラかったと仰ってましたよ、

と言ってくれたので、その言葉を聞きに私はきょう8時から整理券を待って、いちばん前の席に座ったんだー!!

と思う位喜んでしまいました。

最後に質問のある人は、と言われたのでもちろん手を上げて、

その言葉に対する感謝を述べたところ、佐野さんも、これは活字になっていない、水木先生から直接伺ったことですから、

と言うのでもうどうにかなりそうなくらい嬉しかったです。


他にも、

レンズを介して日常と非日常を往き来しているという身体感覚があり、今回は植田正治の役を演じたので、植田正治の目に入ったような感覚があった、
(大体こんな。耳が悪いので言葉は違うかと思い)


という言葉が特に印象的だったので、

植田正治の目になって演じた植田正治は、どんな人だと感じましたか?

と聞いたところ誤解を恐れず言えば、
非常にスケベな人、それから臆病なひと。

という答えが返ってきて、

金子さんが、

植田正治が浅草でチンピラに絡まれて、二度とこんなところには来ない、と言ったというエピソードを話し、暴力に非常に弱い人だった、ぺっちゃんこになることをわかっていたのだと思う、

と添えたあと、佐野さんが、いや自分の中にスケベで臆病なところがあるので、そう感じたのかもしれない、というようなことを言っていて、

佐野さんの断言しない感じや、ひとつひとつに考えながら言葉を選ぶ感じが、

山陰の風土なのかもと思ったです。

司会の方から、鳥取と島根について、右とか左とか岩手からすると位置関係もよくわからなかった、という話が出た時、

県より、出雲、伯耆とか、岡山は吉備とか広島は安芸とか、藩で考える感じ、という話になり、


私としては、

「島根は47番目に有名な県です」という鷹の爪の吉田君の自虐ギャグを思い出したのですが、

さすがに小泉八雲にも植田正治にも関係ないかなあ、

でも「つゆのひとしずく」、東映アニメーションで撮っているし、アニメつながりで、

と思っていましたが、さすがにそんな場違いなことは言いませんでしたよ。

しかしブログで書いてスッキリした。やっぱりブログはいいな!

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美術館のパーキングはいっぱいかなーと思って、こども科学館のパーキングに車を置いたので、

帰りは丘を登りつつ、思わず植田正治ごっこをやってしまいました。

楽しい。

植田正治展をきっかけに、もっとおもしろい画像ができるようにいろいろやってみたいなー。


ではでは☆