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きのう「樫の木坂四姉妹」を観ながら、いろんなことを思い出しました。

例えば、「LOVE展:アートにみる愛のかたち シャガールから草間彌生、初音ミクまで」で見た、森淳一の《coma》(2004)。


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長崎の島原の海に生息するリソサムニウムという石灰藻で象った聖母マリア像。

大浦天主堂のマリア像がモデルだと図録にありました。

大浦天主堂のマリア像、ポスターにもあしらわれていましたが、劇中の終盤、大人しく優等生だった長女しをが被曝者の証言活動にのめり込んで行ったきっかけとなった、一組の若い恋人たちに関係してくるのです。


恋人たち、青年は原爆孤児で大浦天主堂の孤児院で育ち、やがて原爆病で亡くなります。その青年を追って自殺したのが、しをが可愛がっていた娘でした。

被曝が原因で恋人との結婚を諦めたあと、わが娘のように可愛がっていた娘でした。


悲しみの聖母は次女ひかるの喪った赤ん坊をも想起させる。奔放で蓮っ葉な次女、GIを追っかけてアメリカに渡って離婚して帰ってきた、

としか思われていなかったひかるがずっと秘めてきた重い真実。



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映画にもなった「ペコロスの母に会いに行く」も長崎が舞台です。

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作者の岡野雄一さんは昭和25年生まれですが、8月9日にお母さんの背中で被曝し死んでいったお姉さんがいました。

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たとえ何歳で亡くなろうと、父の死は悲しい、といかりや長介さんが90歳近いご長寿で亡くなられたお父さんの死に対して「ダメだこりゃ!」の中で語っておられましたが、

それでも赤ん坊のわが子が死ぬ以上の惨たらしいことはない気がする。


「樫の木坂四姉妹」の次女ひかるはアメリカで結婚したマーティンの子を産んだが、原爆の毒が赤ん坊をも蝕んでいて、1000日の命だった。

のみならず、ひかるを見る周囲の目に、原爆の毒を浴びた女、という厭なものが混じり、夫のマーティンはベッドを共にしなくなった。それがひかるが隠していた離婚の真実だった。

そのことをずっと姉妹にさえ打ち明けられずに、フラッパーで贅沢好きでお洒落でグウタラ(じつは原爆の後遺症で疲れやすかったのだろう)で、憎まれ口を叩いてばかりのひかるが、

ついに姉妹に告白した場面がいまも思い出しただけで胸のあたりが苦しくなる。

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黄色に若冲の鶏のレイアウトが目を惹くチラシ。

いまフライヤーという方が「洒落ている」かもと念のために調べたら、意味はチラシと同じみたいだけど、小さいサイズのものをフライヤーと使い分けているらしい。じゃ、チラシでいいね(笑)。

長崎歴史文化博物館の「伊藤若冲と京の美術 細見コレクションの精華」(3/21~5/11)。

若冲に惹かれていずこかでもらってきたのですが、

長崎には舟越保武さんの《長崎26殉教者記念像》があり、

どこにあるのかなーと検索していたら、アントニオ・ロペス展のFacebookにたどり着き、



「長崎にいらっしゃったロペスをまずお連れしたのが、JR長崎駅にほど近い《長崎26殉教者記念像》。

今回岩手県立美術館で開催されることもあり、私にとっても是非観て頂きたい彫刻作品でした。

残念ながら私は展示作業のため同行できなかったので詳しいことは分からないのですが、ロペスは舟越保武さんの彫刻にいたく感じ入っていたそうです。」


もし機会があって長崎に行くことが出来たら、

長崎港、大浦天主堂、長崎26殉教者記念像のある西坂公園など、見たいものがたくさんあります。

見たいものがふえていくことは、きっと、生きているしあわせの中にいること。