ぐりとぐら展、よかったですよー。



原画でいちばん印象に残ったのは、「かえるのエルタ」のトウモロコシばたけの一枚でした。じつは読んでいなかったのですが。

全体に原画は絵本の色より濃い、ビビッドな色味なんだなあと感じました。


中川李枝子さんと山脇百合子さん、

中川李枝子さんと宮崎駿さんの対談映像のコーナーもあり、

宮崎駿さんがジブリで「ぐりとぐら」の映像化をやろうとして結局頓挫したことや、

おおきな卵が落ちていたら、中から何が出てくるかなとか、誰の卵かな、お母さんが卵を探していないかな、と思うのがふつうなのに、

卵でなにを作ろうとなるところが素晴らしい、と絶賛していたのが印象的だった。

そう言えばはじめて「ぐりとぐら」を読んだ時、

私もいきなり卵を料理につかうぐりとぐらにギョッとしたのを思い出しました。

絵本の原画の所蔵のほとんどが宮城県美術館になっていたのが、なぜか誇らしかった。

写真撮影コーナーは一切なく、ただ、絵本の中のおおきな卵や、すみれちゃんのカボチャと言ったオブジェがあり、

これらも触ってはいけないことになっているのですが、まあ大人は大丈夫なんだけど、

内容からして小さな子が大勢来ているわけで、少しくらい触ってもいいよーというところがあればいいのになあと思ったです。



息子が「ぐりとぐら」「ぐりとぐらのおきゃくさん」「ぐりとぐらとくるりくら」などのぐりぐらシリーズを愛読していたのは、


と言いたいが、


よく言えば心のやわらかい息子はいまだって絵本を読んでいるので、

展示の最後にあった絵本コーナーですっかり読み耽っていたのだった。

絵本のコーナーには何十冊ものぐりぐらシリーズがあって、小さな子どもたちだけじゃなくて、若い女性もお母さんも懐かしそうに読んでいました。

家族連れがもちろん多いのだけれど、友達同志やカップルもいて、

「海坊主が出てくるお話が家にあったのを覚えてる」

などと話していたのが耳に残っています。

うちも家族は家族だが、息子が迷子にならなくなった(もちろん完璧にではないが、大人だってはぐれることはあり、まあふつうだ)いま、

現地では自由行動、集合場所の確認だけ厳重に、が基本なので、子どもに話しかけながら見るということはないなあ。



「ぐりとぐら」は双子の野ネズミ。

彼らには兄弟姉妹、親子、という縦の関係はなくて、



ライオンもカメもゾウもオオカミもカエルもヘビもウサギも、

みんな同じライン上に並んでいて、誰が王様までもなく、家来でもない関係で。

そんなことを考えて、あの動物たちが一緒におおきなカステラをいただく場面を味わう私でした。