芦雪は猫をよく見ているなあ…猫が水に肢先をつけるときの、
チョッ、という感じが伝わってきます。
そして猫の視線の先には獲物の魚が。なんだろう、鯉にしては細い気がしますが。
この狙われた魚の目に映った猫の姿が、
表の虎だということをおっしゃる方がいまして、すごい視方だなあ!と。
私も襖絵というのを立体的に考えられなかったのですが、
ここで襖の巡らせ方まで再現されてあったので、
あ、こういう角になる部分の効果も考えて描かれていたのだなと
参考になりました。
畳がレフ板効果を果たしているので、襖絵や屏風は畳の上に座ってみなければ、
というのもどこかでお聞きしましたが、
描かれたばかりの当時はどんな風だったのでしょう。
ちなみに、表は「虎図襖」ですが、
裏は「猫図襖」ではなく、「薔薇図襖」であります。
三匹の猫と、角を境に、一羽の雄鶏が描かれています。