東京マラソンが近づいてきた1月8日発行。うーんタイムリーだなあ。

ちなみに連載は1993年でして、東京マラソンはまだ始まっていなかったですね。

主人公は高木勝馬、その息子一馬。

お母さんはもともとがいいとこのお嬢さんで、貧乏ぐらしに耐えきれず赤ん坊の一馬を残して男と出て行った。勝馬は仕事をしながら、男手一つで一馬をなんとか育ててきたのだが近づいてきたが、

メンタルの弱いひとで、酒に逃げ、一馬の授業参観も呑んだくれて忘れる始末。

そんな中、出て行った妻が安定した収入と地位を手にして、いまこそ一馬の親権をかけて裁判を起こす、と言ってくる。

いまの自分にはなにもなく、親権を争う裁判では母親が有利と知り落胆する一馬に、家庭裁判所の法律相談で弁護士の先生が、

ひとつの勝ち目を示唆する。それは一人息子の一馬が8歳であり、その意思がかなり尊重されるということ。

そこで高木は決心するのだ。福岡国際マラソンに出場し、優勝して一馬に父の背中を見せてやることを。




そしてこのコマ。

5時起床、昇る朝日!
わかるわあ、すごくわかる!




しかし現実はそんなに甘くないです。いやマンガだけど、マンガだからこそリアリティはビシッとね。

ベスト60kgが76kgへの増量。
膝への負担も気になります。
36歳の高木ははたして復活できるのでしょうか。





ひとり悩む高木に、一馬があっけらかんと、

オレ…コーチになってやるよ、と。




一馬君のコーチが始まります。
膝への負担を少なくし、筋肉もつけつつ、心肺機能もあげる、プールでのトレーニング。

これもわかる!

私も体重がいまより12、3kgも重かった時に走り始め、一ヶ月で膝をひどく痛め、

一時は階段も上がれなかったくらいですが、その間プールに通いましたもん。






そして2週間が経ち、見違えるような身体を取り戻した高木。

えー、たった2週間で?とは思わないです。

体重はすぐには落ちないけれど、運動は体を引き締める効果がいちばんあると思いますです~。




その後、
5km×4本から徐々に本数を増やし、
5kmのラップタイム、14分48秒に、

体重も肺活量も往年のベストコンディションになり、

あとは12月の福岡国際マラソン優勝あるのみ!


精神的に脆く、過去の大会でもリタイアが多い高木だったが、

試練を乗り越え、三ヶ月前とは体も心も別人のようだ。

福岡国際マラソンでは若く実力のある選手が、36歳の高木を意識してなにかと突っかかってくるが、高木は挑発に乗らず、自分のペースでレースを引っ張る。




しかし、まだ小さい一馬君の置いたスペシャルドリンクを取りそこね、しかも転倒してしまった高木。

以前の高木ならここであえなくリタイアするところだが、一馬君の支えでここまで来たいまの高木は違う。




裸足で走れ!

それは中島みゆきのタイトル…。

彼がマラソンと出会った時、いじめられっ子で泣き虫だった彼の前を走り抜けた鉄人が、裸足のアベベだったのだ。

(おじいちゃんが高木を励まそうとマラソンコース上にあった自宅から高木を外に連れ出し、アベベの勇姿とその強い心をみせてくれたのだ)

36歳の高木は子どもの頃彼のヒーローだったアベベになり切って、終盤追い上げる!



23歳の福岡国際マラソン優勝、

36歳の高木は二度目の優勝を果たせるのか?
(つづく)