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NHKの朝ドラを欠かさず見るひとを尊敬してしまう。

いまテレビがないから見られない、と言い訳しているが、

なに、テレビがあっても欠かさず見るという根気が私にはないのであります。

「ゲゲゲの女房」も途中で挫折したんだったよなあ。アニメの鬼太郎ファミリーがちょこちょこしていて可愛かったけれど、

本は逃げないけど、テレビドラマはすぐに置いてけぼりにするので油断ならない。原作の「ゲゲゲの女房」は何十回読み返したかわからないのだけれども。

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(「ガロ」の長井編集長)

何回も読んだら、しばらく寝かせておいて、読み返すのがすきです。記憶の配線に何かがあるらしく、つねに新鮮な気持ちで読める…プチ認知症?いや昔っからです。

さて、ご存知の通り、戦争で南方に出され、片腕を失って復員した武良茂青年は、

絵で食って行く腹を固めて上京。水木荘を経営していたことから水木しげるをペンネームにする。

40歳になる頃、息子の身を案じた両親に見合いをセッティングされ、そこから5日間でスピード結婚。

が、洗うが如し赤貧。

あまりに低所得なので、脱税を疑った税務署の役人が訪ねてくるが、

質札の束を突きつけ、これで食ってるんだ!貴様らに我々の暮らしがわかってたまるか!

と啖呵を切る。その勇ましさと裏腹の泥のような貧乏。

しかし、ついにくるべき時が来た!

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マンガを読んでも、奥様の布枝さんが書いた「ゲゲゲの女房」を読んでも、ここでいつも涙がぶわっと吹きこぼれそうである。
そこに至るまでの長い長い貧乏と苦労に、こちらも一緒に翻弄されてきたので、

ああ、やっと!

と心底思うのだ。

で、いきなりてんやわんやになった水木さんは腕の立つアシスタントを長井さんに頼み、

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つげさんがやってくる。
つげさんの当時のことを書いたものによると、生活がいよいよ困窮して水木さんの助っ人をするために水木さんの住んでいる調布市に引っ越した、とある。


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この内ポケットがふくらんでいくというところを、物事にこだわらない恬淡としたつげさん、のイメージでいたのですが、

家賃を払うためだったのですね。

水木さんの当時の様子を描いた作品の中に、おっとりとしたつげさんに絡む無神経なアシスタントがいて、つげさんは困惑する、というものがありました。

「ガロ」は最初原稿料が払えなくて、それを当時売れっ子だった白土三平さんが肩代わりしていた、というエピソードはつげさんが書いていましたが、

みんなが持ちつ持たれつだったのでしょうか。