カバー折り返しのこの可愛いおまけ。
山口晃さんの可愛らしさはすごいですよ。宿題の絵日記をつけていた息子に、そこに感想を一言書いて、と言ったら満面の笑みになり、もう可笑しくてたまらない、というふうに身をよじらせ、
とにかく全部おもしろかったです、と言葉に魂をこめて書いていた。11歳の心も鷲摑みである。
そんな講演会「日本美術感想文」の翌々日にきた山口晃展、
最後に壁いっぱいに拡大して展示してあったのが、「すずしろ日記」のS邸訪問と、そこからの縁で山形に行く話、
妄想のヨーロッパでの華麗なる日々、
との二話。
S邸とはもちろん、今は亡き(昭和62年歿で、この年はすきな作家がなぜか鬼籍に大移動なさったので印象深い…)澁澤龍彦邸なので、このR子さんは澁澤龍子さん。たまたまの偶然なんだけど、表札にもし並べてあったらすごい字面だろうなあ。
澁澤龍彦
澁澤龍子
龍雄、が本名なのだけど。
同展に澁澤さんの「高岡親王航海記」ほかの挿絵原画もあったで、
ここを採ってくれてうれしかった。
それにしても龍子さん、相変わらずサバサバしていてカッコいいなあ。
ラジオの思い出もよかった。
おうちの教育方針でテレビはあまり見られなかったかわりに、ラジオが友達だったもよう。
読んでいるうちにラジオくらい買おうかと迷う。
みんなができるふつうのことができない…。
「プリーズ プリーズ人並み」笑っちゃうけど、わかる。
絵があるじゃないですか、と言われても人並みプリーズでありたいんですね。
メールもやるし免許もあるし運転もするし送られてきた文書がわからないってことはない、
でも「人並みプリーズ」、刺さったなー。
井上雄彦さんの「バカボンド」武蔵を山口画伯が描いているところがまたなんともいえない。
超絶技法同士の掛け算という気がして。この絵が本書の最後の一ページでした。
それにしてもタクシーの運転手さんも言っていたけれど、ほんとうに字が上手いなあ。
「すずしろ日記」、山口晃展の前に読むつもりが忘れていて、
帰ってきてから取り出して一気読みでした。そして繰り返し読む本になる予感がします。
ではでは。
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