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大浮世絵ナイト、ゆっくり落ち着いて見られました。


ただ、展示替えが多く、図録で眺める作品の方が多くなるかなあ。

小林忠氏の講演を聴くことができたのもよかった。

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「北斎の富士山」をテーマにお話しになったのですが、

今回の展示にはない絵についても紹介があり、北斎について先輩の美術家から、あんなものを、と批判されて悔しい思いをしたこともあったけれど、

この絵を見たら、というようなことをおっしゃっていて、

山下裕二氏の講演でもやはり、つげさんのマンガについてわかっちゃない評論に怒りを覚えた、

といずれも大家なのに、だからこそなのか、誤解されているものに対して身悶えするような気持ちを持たれるのが意外でもあり、

ジャンルは違っても共感できたのだった。

批判するやつには批判させておけばいい、では済まない気持ちがふつふつ滾る、それは正しいこと、ほんとうのこと、うつくしいもの、つよさ、研ぎ澄まされたもの、磨かれたもの、ひたむきさ、

そういうことを良しとする気持ちが踏み躙られることに堪えられないのだと思う。


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最後に常設展の広重の東海道五十三次を見てこようと思ったら、

そちらは普通の開館時間内の展示だったのでがっかり。
(常設展のチケットはべつにお求めください、となっていたら、常設展も同じく20:00までだと思うじゃない?)

あしたは上野のモネとムンクの版画を見ようと思っていたのですが、

浮世絵づいてしまったので、江戸東京博物館を見てから上野へ…。


小林忠氏さんが講演の締めくくりに、美術館に出かけてすきな絵を見ることは健康にいいと証明されております、この冬は寒さが厳しいですが、みなさんどうぞ美術館へおいでになって健康でお過ごしください、

とおっしゃって、


そうだそうだ!と思ったです。

誰だっていろいろあるけど、浮世絵の一枚にひきこまれ、立ち尽くす十数秒があれば、

それだけで人生は楽しい。


きょうの一枚は北斎の娘、応為の「夜桜」でした。


太田記念美術館の「葛飾応為展」に先駆け、

あの一枚は強烈だった。

大浮世絵展のいまの展示のラストを飾るのが、


川瀬巴水の「日本橋(夜明け)」だったこともうれしかった。

リアル友達は年々減るばかりであってしかもそれを喜んでいるのですが、

(なぜなら友達が多いとひとりひとりと付き合う時間も減り、いやそんなことよりエゴイストの自分にとっては自分が一人でいる時間が減るのがいやだ)

絵の世界の知り合いはふえるばかりであって、


以前はすべての画家が初対面だったけれど、最近は、

ああお噂はかねがね、というようなことが多く、前にもお逢いしましたね、あなたの師匠を存じておりますよ、

というような調子で親しみやすくなってきたのでした。

ずっと昔は美術=教養だった。

育ちが貧しいので美術も音楽も演劇も、とにかく生活に関係のないすべてのことが贅沢で教養で見栄なのだった。教養とは見栄と考えられている、そういう世界もあるのである。


本を読むことだけはお金がかからないので放置されていた。だって図書館から本を借りればただだから。

というような貧しい家で育ったので、私がここまで来たのはある面では進歩だが、ある面では裏切りなのだった。まあいいや。

あしたは江戸東京博物館で広重だ。