夜の南青山をあるいております。

青山ブックセンターで買ったつげさんの本がずっしり重いけど、

充実。



去年から山下裕二先生の監修の美術展や講演や書かれたものに接することが多かったのですが、

 なぜ、いま「つげ義春」なのか 山下裕二 (怪我で出られなかった米谷編集長のメッセージもよかった)さんの講演は胸を打つものがありました。

無人島に行くならつげさんのマンガを持っていきたい、

という言葉と、

講演の終わりに、

つげさんはもうマンガを絶対に描かないでしょう、でもそれでいい、生きているだけでいいんです、

というようなことを仰って、

今回の芸術新潮の 「なぜ、いま「つげ義春」なのか」特集のための訪問について、つげさんとのやりとりや写真を紹介する山下さんに、

ほんとうにつげさんがすきなんだなあと痛いほど感じましたが、

生きていてくれればそれだけでいい、というのは究極の愛だなあと思い、

胸が痛いくらいでした。



講座が終わったあとの様子。撮影してもいいと言われたので、パチリ。




三井記念美術館の「超絶技巧 明治工芸の粋」の宣伝もありまして、いまいちばん応援したいのが明治工芸なんだそうです。

このチラシ、山口晃さんが描いているのですが、




群馬県立館林美術館の「山口晃展」に通ったきゅうさんからその2時間前に頂いており。

いろいろリンクしていくなあ。

ところで私はつげ義春の名前と「紅い花」は赤塚不二夫(か、石森章太郎。当時の名前ですあえて)の「マンガ家入門」で小学時代から知っていて、その点だけは山下さんに先んじていたな!と内心得意でした。

小学館から出たマンガ文庫で読んだのも同じ頃。ただしこちらは中学生って、やっぱり私ってへんなところで負けず嫌い(笑)。

山下さんだけではなく、つげさんの熱いファンである編集者やカメラマンの方の言葉もよかったなー。

初めての訪問で思いがけずつげさんがリアリズムやシュールレアリズムなど、深いお話をなさって、録音の準備はしていなかったからメモで書き起こした編集の方、

撮影許可が出るまで外で2時間も待っていたカメラマンは、

つげさんに負担のかからないよう、乱したくなかったから、

と仰っていて、それだけでつげさんがどんなに深く崇拝され、大切に大切に思われているか。

よかった、申し込んで。

息子は気がついたらいちばん後ろで待っていました。

ありがとう。



南青山の月はふくらんでいました。