(うっかり記事を削除してしまったので、書き直し~。

下書きを残しておけばよかったけどね)





モーニングに3回連載で掲載されている、

山岸凉子の「艮」。


前回は主な登場人物が3人そろいました。


主人公・晶子 出版社勤務。夫と幼い娘がいる。夫は派閥争いに巻き込まれて、

家を買ったばかりだというのに左遷されて北海道へ…。


晶子は娘とふたりで暮らし、仕事と育児家事にあわただしい日々を送っている。

子宮内膜症の持病に悩まされてもいる。


由布由良 霊能力者。以前はテレビにでて除霊をしたり派手にやっていた

時代があったらしいが、いまは落ち目でごみ屋敷(晶子目線)にデブ猫と暮らす、

ご本人も立派な体格のおばさん。


脱獄囚 晶子は気づいていないが、脱走してきた彼は晶子の家の

台所のライスストッカーに潜んでいる。凶悪な顔つきに凶悪な思考回路。


なぜそうなるかは分からないが、彼が潜むライスストッカーに触れると、

指先に水ぶくれのような跡ができる。





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という前回だったのだけれど、今回は動きがありまして、

夫が正月も帰らない、自分の子宮内膜症がじつは

卵巣腫瘍ではないかと告げられる、


など晶子の不運はより重くなり、仕事にかこつけて

インチキと内心では思っている彼女の言葉を

聞いてしまう。


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鬼門の台所のライスストッカーには確かに異形の者が潜んでいる。


しかし、その異形の者《囚人)は、黒いものに

あやめられているのではないか。


もしかしたらもともとキッチンストッカーに潜んでいたものこそ、

この家の鬼門をなしている鬼なのでは…。


囚人は鬼に殺された犠牲者のひとりにすぎず、

晶子もこのままだととらえられてしまうのでは…。





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今回は由布の内面がよく描かれていました。


お河童にメガネに分厚い唇を強調するメイクと、

草間彌生風で、インチキ霊能力者と自ら言い切るのですが、


このおばさん、どこか憎めない。


それは自分でも言っているように中途半端な霊能力しかなく、

結局自分を捨てきれないという、人間らしさがあるからかもしれない。



しかしそのどっちつかずの人間らしさが、晶子の

危機を見てしまい、思わず口にし、


晶子が帰ってから彼女を危惧する。え






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そのライスストッカーを開けたら、


中にいるのは白骨化した囚人の姿

(死体じゃなくて、鬼門パワーにより一気に白骨化した方がインパクトがあるかと思って)


またはネズミに齧りまくられている囚人の死体

(よりインパクトがあるが見るのがコワイ)


まったく空っぽで、山岸凉子の描く、悪い「気」の黒い点々が漂っている…



あるいは開ける前に、息を切らした由布が飛び込んできて、


一世一代の自分を捨てたお祓いをし、悪霊は退散し、


晶子は自分が義母と暮らしたくないと思ったばかりにこの

悪運を招いていたのではと思い、


夫の実家に電話する。



そこへ夫が(たぶん背が高くやせて優しそうな2枚目)奇跡的に

飛行機のチケットを得て家に戻ってきて、


夫の実家で義母、夫、晶子と娘の楽しいお正月…。



お正月を挟んだ連載ですからやはりそこは。


エピローグとしてあの家は売りに出され、

由布はすべての霊能力を失い、中途半端にも見えなくなったが、

かえってスッキリして案外やせてほっそりとなって再会…


最初に書いた記事とは全然ちがうけど、まあいいや。


最終回ではどんなふうに予想を裏切られるかが楽しみです☆


ではでは~。