「あたしンち」19巻、新刊を見つけると心が弾みます。
私もみかんよりみかんのお母さんの年齢に近くなって、いや越してしまい、
読み方も変わった気がします。
お母さんの友達の中でもいちばん親しい水島さんがすきなんです。
おしゃれで流行に目ざとく、かと言って堅実な主婦でもあり、
話す言葉がキラッと光っていて。なかなかこういう人はいそうでいない気がします。
立花母へのちょっとしたアドバイスもいつも冴えています。
半身浴にゴミ袋、いいアイディアだなあ。
でもそんな水島さんが小さなことでクヨクヨしているんです。
ほうれい線。
あの、鼻の脇から唇までのシワですが、
気にするあまり、ぎゅーっつて。
梅干みたいな顔になっちゃいますよ、水島さん。
でもこのさじ加減がいいんですよね。
明るくてセンスのいい、気の利く水島さんなのにドーナツに夢中になったり、断捨離にはまったり、どこかおっちょこちょいなところがあって、
それが水島さんをチャーミングにしている気がします。
19巻は主人公のみかんより、お母さんの友達関係や、お母さんがお父さんを深く理解していたこと、
川島の片思いエピソードがツボでした。
長い夏休みに片思いのゆずひこにどこかで偶然会わないかなと自転車でウロウロ。
書店に入っていくゆずひこを見かけたものの声をかける勇気はなく、
ゆずひこの好きそうな書棚の前で妄想劇場を展開。でも妄想とは違って、ゆずひこはレジでお金を払って出て行くところ…とその時、
反射ミラーごしに小さく手を振ってくれたゆずひこ。川島のうれしさ、ドキドキ、痛いくらいに伝わってきますね。
今回は川島の恋のライバル?石山さんが影薄く、その分切ない片思いの川島が目立った気がします。
主人公みかんも絶賛片思い中ですが、こちらはまだ脈がある感じで、川島の切なさはみかんとの対比でより際立つのです。