{91610620-9337-487D-8407-57B746F6E650:01}
「走る理由ー谷川真理のランニング哲学」

(ランナーズ)

昨日市立図書館から借りてきた本です。

高橋尚子、増田明美、有森裕子、金哲彦…図書館にあるランニングに関する本はけっこう読んでおりますなあ。あ、村上春樹の「シドニー!」と「走ることについて語るときに僕の語ること 」も。

ただ、これらの本には故障についてあまり書かれていなかったのですね。

もともとの資質に恵まれたひとは故障しにくいのかなあと思っていたんです。

金哲彦さんと高橋尚子さんは学生時代、鉄欠乏性貧血になり、克服は大変で焦燥も伝わってきましたが、

膝を痛めて、というエピソードは見当たらず。

それが!

谷川真理さんのこの本では膝の故障との戦い、いや長いつきあいにかなりページが割かれていました。

谷川真理ハーフマラソンでも、山形まるごとマラソン(ハーフ)でも、膝が、という理由でゲストランナーの谷川さんは走らなくて、

高橋尚子杯ぎふ清流ハーフマラソンでハーフの一番後ろからランナーみんなとハイタッチをして走り、最後はゴールで全員とハイタッチ、という高橋尚子さんを見た後では、

うーん、なんで走ってくれないのかなあと思っていましたが、

膝の故障が完治しないうちに焦りからトレーニングを課して、また故障。

この繰り返しでひどい時は何年も治療しなくてはならなかった。手術を受けたことも初めて知りました。

谷川真理さんは高校時代はやらせられている練習に身が入らず、

OL時代に思い立って走りだし、市民ランナーから躍り出たひとです。


いい指導者に早くから出会っていれば故障も長引かなかったのかもしれません。

また、故障のあと走れない時期は水泳やロードバイクをして筋力を維持しているのですが、

そういうところに走力の違いを無視して、わかる!と思ってしまったんですね。


私も膝を階段を上がれないほど痛めたときは、治ったかなと思っては走ってさらに悪化させたり、

少し痛みがあっても、ひどくなるまでは走り続けたりして、

レヴェルもプレッシャーも全然比べものにならないのですが、

また痛めるのではないか、という怯えとともに走る気持ち、再び痛めてしまった時の自分を責める心、わかる気がしました。


なぜ悪化させてしまったか。

それは休むべき時に休むことができなかったから。


私にもいつも強迫観念があった気がします。


休んだら全てが終わってしまう、みたいな。


休むのと怠けるのはちがうことなのですが、ほんとうについこの間までは走らない日は心がザワザワしていました。

(大阪マラソンのあとほんとうに一切ランニングをしないで臨んだ下関海響マラソンで自己記録を更新できたので、

はじめて心から休むこともトレーニングだ、の意味がわかりました)

この本の読み方は人それぞれでしょうが、

長年走り続けて無傷の人なんていない、
私はこの不完全な体とつきあっていくんだ、

というところに共感しました。

ちなみに谷川真理さんは1962年10月27日生まれ。

同じ高校の一学年下だった増田明美さんは1964年1月1日生まれ。

私も不完全な体(扁平足だし外反母趾でシューズがいつも片方きつい)と仲良くつきあって行こうと思います。